全国の飲酒死亡事故件数、7年ぶりに増加---厳罰化から初めて

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事故(イメージ)
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飲酒運転事故における死亡事故件数が2016年、前年比で増加した。厳罰化の効果もあり、飲酒運事故件と共に減少する中で一転、上昇に転じた。

警察庁の調べによると、2016年1年間の全国の飲酒死亡事故件数は213件。前年比で12件増えた。道路交通法が改正された翌年の2010年、飲酒死亡事故件数は295件だった。その後、厳罰化の効果もあり、270件、258件、238件、227件、201件と減少してきた矢先の増加だった。

一方、飲酒運転事故は、11年の5561件、5030件、4605件、4334件、4155件、3864件と減少し、16年は3757件と減少傾向を維持している。ただ、厳罰化から7年を経過し、当初は前年比10%ほど減少していたが、15年と16年は実数で107件、3%ほどと減少幅は小さくなっている。

上位10都道府県で15年と16年の推移をみると、飲酒事故件数では埼玉県と福岡県が前年比増だった。埼玉県は180件から204件に大幅増、福岡県は156件から158件に微増となった。また、事故件数の内数である死亡事故では茨城県、大阪府、沖縄県で増加した。茨城県で13件から21件に増加、大阪府で10件から11件、沖縄県で11件から13件に増加した。

飲酒事故の累積件数(10年~16年) 上位10都道府県
1. 大阪府…1709件
2. 愛知県…1606件
3. 千葉県…1595件
4. 埼玉県…1484件
5. 東京都…1429件
6. 兵庫県…1420件
7. 福岡県…1417件
8. 北海道…1332件
9. 茨城県…1246件
10. 神奈川県…1196件

飲酒死亡事故の累積件数(10年~16年) 上位10都道府県 事故件数の内数
1. 千葉県…103件
2. 愛知県…97件
3. 茨城県…93件
4. 北海道…87件
5. 大阪府…82件
6. 兵庫県…72件
7. 神奈川県…71件
8. 埼玉県…65件
9. 沖縄県…62件
10. 東京都…61件

この数字には、運転者が第一当事者となる事故だけでなく、飲酒運転に巻き込まれた被害事故も含まれる。事故件数は単年度では振れ幅が大きいが、複数年を取ると傾向が現れる。厳罰化とは別の飲酒運転防止の仕組みが望まれる。

《中島みなみ》

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