ホンダの倉石誠司副社長は6月7日、中国の上海市で開幕した「CESアジア2017」の同社ブースで日本の記者団の取材に応じ、高水準の販売が続く中国での四輪新車販売について「2、3年前から取り組んできたことが市場に受け入れられており、ある意味、予定どおり」と評価した。
ホンダの今年1~5月の新車販売は、高級車のアキュラ部門を含み前年同期を20%上回る53万5792台と好調。月次でも4月は全体需要がマイナスになるなか、5か月連続で前年実績を上回っている。17年の年間販売計画は130万台(前年比4%増)としているが、すでに達成も見えてきた。
中国でも人気のSUVモデルを数年前から拡充してきた政策や、世界的なヒットモデルとなったシビックなどが貢献している。倉石副社長は「インセンティブも多く使わずに販売できており、しばらくは安心して中国市場を見ていけると思っている」と語った。一方で、「急速に拡大してきたので、今は顧客満足度と品質面での質を上げることが大事」と表明した。
合弁会社の広汽本田、東風本田ともにフル稼働が続いていることもあり、品質確保についてはとくに留意する考えだ。また、18年から投入する電気自動車については、「各社ともブランドの信頼度が重要になる」と指摘。ホンダとしても「今、ホンダ車を買っていただいているお客様に、また買っていただけるよう取り組んでいきたい」と、ブランド力を高めることで、着実に次世代車の販売増につなげる方針を強調した。