カングーを中心にしたルノー車オーナーのイベント「カングージャンボリー2017」が14日、今年も山梨県山中湖村の交流プラザ「きらら」で開催された。
前日の雨模様から、どうにか回復したものの、山中湖周辺でのこの時期の曇天はやや冷える。この時期晴天であれば半袖でも過ごせるところを、上着を羽織って会場を見学する人の姿も多く見られた。
冒頭あいさつに立ったルノー・ジャポンの大極社長は「好きなものに囲まれる生活を提案していくのが私たちの使命です。その中にどれだけフランスを織り込んでいけるかが勝負です。そのような限定車も本日発表いたしますが、是非思い思いに過ごす休日を満喫してください。」と来場者に話した。
続いて山中湖村高村村長も「ようこそ山中湖へ。この素晴らしい環境を肌で感じ、思い出多き一日に!」と来場者を歓迎した。
開会式開始の前、朝9時の段階で3000名を超す来場者数を数えたとの速報もあり、昨年並み4000名の来場者を数えたカングージャンボリー。まだ当日につき正式な来場者数のまとめの数字は発表されていないが、関係者の間では前年超えの期待が高まる。
主催のルノー・ジャポンでは「最初は、こんなイベントをして来るだろうか、と。商用車ベースのファミリーカーですし、私たち自身正直懐疑的でした。しかし、こうして、集まってくださる方の多さや、そこからの口コミでユーザーが広がっていること、オーナーどうしの交流が生まれたりもしていることから、少なくとも場所だけは提供していきたいという思いで、とにかく開催はしていくべきだと考えています」と広報担当者は話した。また、様々な企業や団体とのコラボレーションも増えてきて、開催を重ねるにつれて一緒に盛り上げるパートナー企業も増えてきたのだという。
コラボレーションと言えば、例年カングージャンボリーの場では、ファンにいち早く限定車など発表されており、今年もカングーの限定車「カングー・アン・プロヴァンス」が発表された。
これは、香あふれる暮らしを提案するロクシタンとのコラボレーションで生まれたモデルだ。人気を博したカラーのリバイバルであるオランジュエタンセルメタリックの外装色は、プロヴァンスの街並みの色や、降り注ぐ陽光をイメージしており、グリーンカラーリングを施したCABANA製専用シートカバー内装は、プロヴァンスに育ったものならだれもが慣れ親しみ愛する香りを放つ、爽やかなハーブ「ヴァーベナ」をイメージしているのだという。
生活を楽しむことにたけているプロヴァンスの日常に思いを馳せ、使い勝手と走りでは一切妥協しない、「カングーゼン」の1.2リットルターボエンジンと6速EDCを組み合わせたモデルをベースに、どこか懐かしく、しかしあまりポップにもなりすぎない、幅広いユーザーに親しんでもらえるような仕様に仕立てられ、会場でお披露目された。展示車にはオプションのクラシックアロイホイールも装着され、こちらも来場者から多数好評の声が聞かれた。
今回ロクシタンとのコラボレーションということで、成約者にはロクシタン監修「ヴァ―ヴェナドライビングキット」が贈られる。このキットはアウトドアに出かける夏にぴったりな、汗やニオイ、日焼けや、普段からちょっとしたタイミングで暮らしに爽快感を与え、ドライブをより爽快なものにするアイテムが詰まったギフトボックスだ。「夏のプロヴァンスを感じながら快適なドライブをして、颯爽と走っていただきたい」と、会場でロクシタン・マーケティング本部の石井氏からも紹介された。
カングージャンボリーの愉しみは、なんといっても、駐車場に止まったカングーを見て歩くことだが、その一台一台、オーナーそれぞれの趣向が凝らされたものが多い。パーツをこだわる人、カラーコーディネートを自分だけのものにする人。内装で遊ぶ人。さながら絵画が描かれるカンバスのようなクルマだ。
そして、自分のアイデアやセンスでものづくりにいそしむクリエイティブな人が多い、というのはカングージャンボリーの会場で毎回感じることである。蚤の市やフリーマーケットは目が離せない。オリジナルで絵を描く人、手芸でバッグや小物を作り人など、表現方法はさまざま。しかし皆に共通することは「ルノーが好き」「カングーが好き」だということ。クルマにおける演出は大切な要素かもしれない。
しかし、シンプルで機能的だから、ユーザーが思い思いに演出できる。カングーのそんなところが好きだ、と、そうして自分のオリジナル作品を発表紹介している人の共通点を感じる。
オリジナルの手ぬぐいを作って販売している「いのまる堂」さんは、「ルノーの顔が好きで作り始めましたが。カングージャンボリー用はその年この場所でしか販売しないようにご用意しております。このイベントが続く限り造っていければと思っています」と話していた。
ルノーを愛する人や、カングーが好きな人が集う山中湖の初夏のイベント「カングージャンボリー」、来年は10回目という節目の年。イベントとしても、また参加者の並べる作品、商品、そして来場するクルマに、どんな遊び心が見られるのか、今から楽しみである。