キハ40形気動車の仕事を受け継ぐ電車が姿を現した。JR烏山線(栃木県)向け直流蓄電池電車「EV-E301系 ACCUM」2両基本編成3本が2月21日、製造元の総合車両製作所横浜事業所から宇都宮へと渡った。烏山線は3月4日のダイヤ改正で“架線なし電化”を遂げる。
EV-E301系 ACCUM(Energy storage Vehicle)は、リチウムイオン電池を搭載し、架線のない非電化区間で走行できる電車。烏山線には、量産に先行して2両編成1本(V1編成)が2014年春から走り出し、烏山駅でパンタグラフを上げて充電する姿を見ることができる。
現在は、1979年から同線で走り続ける国鉄型「キハ40形」気動車と、JR東日本EV-E301系電車が混在して宇都宮と烏山の間を行き来している。時刻表では、列車番号の末尾が「D」の列車がキハ40、「M」がEV-E301とわかる。
今回、総合車両製作所横浜事業所から出てきたV2・V3・V4編成は、「DE10 1576」ディーゼル機関車に引かれて新鶴見へ、その後は「EF65 2081」電気機関車のけん引で宇都宮入り。 これら量産車2両編成3本が3月4日から営業運転に入ることで、宇都宮運転所に所属するキハ40形8両は、烏山線から引退する。
営業運転最終日の3日には、3両連結列車にヘッドマーク掲出、見送りイベント~Last Memory~、記念入場券発売、記念弁当販売などの引退イベントが実施される。
JE東日本は2月22日、「烏山線用キハ40形の今後については検討中。廃止かどうするかも未定。EV-E301系導入で、気動車エンジンから出る排ガスがゼロになり、二酸化炭素・騒音の低減も実現した」と話していた。
すべてが電車に代わる烏山線。同じ4日には、秋田の男鹿線(非電化)でも蓄電池電車が走る。こちらは交流タイプの「EV-E801系」。