大阪モノレール、彩都線の延伸計画を中止へ…大阪府が方針決定

鉄道 行政
彩都線の終点・彩都西駅から軌道の終端部分を望む(2007年5月)。この先の延伸も計画されていたが、大阪府はこのほど延伸中止の方針を決めた。
  • 彩都線の終点・彩都西駅から軌道の終端部分を望む(2007年5月)。この先の延伸も計画されていたが、大阪府はこのほど延伸中止の方針を決めた。
  • 大阪府北部の主な鉄道計画(赤)。府は彩都線彩都西~東センター間の延伸計画を中止する方針を決めた。

大阪府はこのほど、大阪高速鉄道(大阪モノレール)が運営する国際文化公園都市線(彩都線)の延伸計画を断念する方針を決めた。代替交通としてバスを導入する。

彩都線は、大阪モノレール線の万博記念公園駅(大阪府吹田市)から分岐して、国際文化公園都市(彩都)の西部地区にある彩都西駅(茨木市)までを結ぶ6.8kmのモノレール線。彩都西駅から彩都中部地区の中部駅(仮称)を経て東部地区の東センター駅(仮称)までを結ぶ、茨木市内2.2kmの延伸も計画された。

運輸政策審議会が1989年5月に策定した大阪圏の鉄道整備基本計画(運政審10号答申)では、万博記念公園~阪大病院前間を「2005年までに整備することが適当」、阪大病院前~東センター間を「2005年までに着手することが適当」としていた。その後、1998年10月に万博記念公園~阪大病院前間が開業。2007年3月には彩都西部地区が先行整備されたことを受け、阪大病院前~彩都西間が開業した。

大阪府の戦略本部会議は1月27日、彩都東部地区の開発に関する取組方針を決定。「企業ニーズに応じた新たな産業用地を創出し、ものづくり企業の府外流出防止や府外からの企業誘致の推進を図るため、彩都建設推進協議会を通じ、民間主導のまちづくりを支援」するとし、従来の住宅を中心とした開発から工場建設など産業開発にシフトすることにした。

このため、彩都線は「産業系中心の土地利用への変更や開発者の意向を踏まえ、彩都西駅までとし、彩都西駅から東部地区への公共交通についてはバスの導入に向け調整」するものとし、彩都西~東センター間の延伸計画を中止する方針を示した。

大阪モノレールの運営路線では、大阪モノレール線も門真市駅から南へ延伸する構想がある。近畿地方交通審議会が2004年10月に策定した近畿圏の交通基本構想では、門真市~瓜生堂間8.7kmを「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として盛り込んでいる。

《草町義和》

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