鳥取県の八頭町は4月1日、町内の公園に「ミニSL博物館」をオープンする。観光客の誘致や、同町が出資している若桜鉄道の増客などを目指す。
八頭町企画課によると、西谷地区の船岡竹林公園内に、ミニSLの博物館施設と乗車体験施設を整備。博物館は延床面積が385平方mで、館内にはミニSLの展示場や工作ブースなどを設ける。乗車体験施設の広さは1200平方mで、一周の長さは125mになる。
展示されるミニSLを製作したのは、鳥取市の中村仙一郎さん(95)。小学生の頃から独学で機関車について学び、60代の頃からミニSLを多数製作。現在までに20両以上を製作している。八頭町は中村さんから国鉄8620形や南満州鉄道(満鉄)プレサ形など15両のミニSLの寄贈を受けたことから、これを展示・運転する施設の整備を計画した。「動くミニ機関車15両が整備されるのは、全国的にも無く、全国初のミニSL博物館・乗車体験施設」(八頭町)という。
博物館は八頭町が管理し、ミニSL機関車の維持や管理、運転は民間団体に委託する予定。営業時間は9時から17時まで(水曜休館)だが、12月から翌年2月までは休館期間となる。入場料金は200円、乗車体験は1回100円の予定だ。
博物館が設けられる船岡竹林公園は、若桜鉄道の隼駅から直線で約1.7kmの地点だが、八頭町は隼駅や船岡竹林公園などを周回するシャトルバスを運行する方針。1年の来館者数は3万5000人を見込んでおり、「隼地域を一つの観光ゾーンとして位置づけ、連携した観光ルートを創出することにより、観光客の増加を図る」としている。若桜鉄道と連携した商品や切符の販売なども考えているという。