今秋にデビューしたスズキのニューモデル、『SV650』のコンセプトは「原点回帰」ということで、バイク本来の操る楽しさを求めたモデルとなっている。ベースになったのは『グラディウス650』で、改良箇所は車体全体で140か所、エンジンだけでも60か所にも及ぶなど見た目も中身も大幅に進化した。初代SV650から早17年。熟成を重ねた水冷V型2気筒エンジンはピーク76馬力と扱いやすいパワーが与えられ、Vツインならではの小気味よい鼓動感とトラクションの良さが光る。試乗時はウェット路面だったが、接地感が分かりやすくリラックスして乗ることができた。車重もグラディウスに比べて軽量化しつつ、前輪の分布荷重の割合を増したことで、コーナリング中でも軽快さの中にもフロントの安心感を伴ったハンドリングに仕上がっている。リアタイヤもあえて細めの160サイズとしたことで、倒し込みでも自然な軽快感があり扱いやすい。前後サスペンションの動きもしなやかで、アップライトな姿勢と低めのシート、ハンドル切れ角が豊富で小回りが利くことも相まって、街乗りでも使い勝手に優れるモデルだ。大型バイクビギナーでもとても馴染みやすいキャラクターと言えるだろう。見た目や車体構成もいたってシンプルで、ABS以外は目立った電子制御の類は入っていないが、バイクとの密な対話を楽しむにはかえって丁度いい。唯一といってもいい電制がローRPMアシストという機構なのだが、これがなかなかの優れもので、発進時に回転数を自動的に上げてトルクを補ってくれるため走り出しがとても楽なのだ。Uターンでもエンストの不安がだいぶ解消されるなど、ユーザー思いの実用的な機能だと思う。最近のスポーツモデルでは電子制御が当たり前となっていく中で、SV650はよりバイク本来のよりシンプルな走りの機能とデザインに徹したモデルとして注目される。まさしく、等身大の自分のまま、純粋にライディングを楽しめるモデルとなっている。■5つ星評価パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★★快適度:★★★★タンデム:★★★オススメ度:★★★★★佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。
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