日産、完成車無人搬送システムを追浜工場に導入…低コストな自動運転技術を活用

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日産 インテリジェント ビークル トーイング
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  • 日産自動車 土井三浩 理事
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日産自動車は12月5日、自動運技術を用いた完成車の無人搬送システムを追浜工場に導入したと発表した。

「インテリジェント ビークル トーイング」と名付けられた今回のシステムは、電気自動車『リーフ』をベースに自動運転機能を備えた牽引車が最大で3台の完成車をけん引して、1.4km先にある専用ふ頭まで無人で搬送する。

その仕組みは、牽引車の左右のドアミラーに搭載したカメラと、フロントバンパーに備えた4つのセンサースキャナーを使って得られる周囲の環境と地図データを組み合わせて自車の位置を正確に把握しながら、目的地までのルートを自動走行するというもの。

日産の総合研究所長を務める土井三浩理事は「工場で使うので比較的アフォーダブルなコストで仕上がらないと、その後の展開性が悪くなるので、いかにシンプルな構成で実現できるかがひとつのポイントになる」と語る。

具体的には「工場内なので他車に追い抜かされることがないので、後ろをみる必要が基本的にはない。より少ないセンサーでより感度の高い検出ができるようになっている」と土井理事は語る。

その一方で「工場内であっても自分がどこにいるか、きっちりと特定することが非常に大事になる。そこでセンサーを使って白線と縁石を検出するとともに、ジャイロで自分自身が走ってきた軌跡を計算し、その結果を追浜工場内の高精度地図と照らし合わせて、自己位置を特定しながら走るようになっている」という。

また「高精度地図には白線や縁石などラウンドマークになる情報が織り込まれている。一方、通常の自動運転車の地図には駐車場は含まれていないが、今回のシステムは道路から外れた経路にある場所で車両を降ろすので、駐車場の中まで含めた経路も特定している」とも話していた。

日産では追浜工場内で2015年6月から無人搬送システムの実証実験を行ってきた。現在は2台の無人搬送車を使い、それぞれ1日あたり3~4往復の搬送を行っている。2019年までに7台の無人搬送車を同工場内に導入して、1日あたり1000台の完成車を無人で搬送するシステムを造り上げるとしている。その後、ルノーを含む国内外の工場に展開する計画。

《小松哲也》

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