日本の次世代産業を育成する戦略的イノベーションプログラム(SIP)の分野の1つ「自動走行システム」の国際的な研究会「SIP-adus Worksho 2016」(えすあいぴー えーだす)が、内閣府の主催で東京ではじまった。
16日までの開催で、欧米10か国の運輸大臣をはじめとする政府関係者、技術関係者など約57人が登壇。400人に聴衆を前に、自動走行に関係する課題について話し合う。
2017年、日本でも国内で大規模な自動走行に関する実証実験を行うことを予定している。研究会では、走行環境のモデル化、通信技術、自動走行のためのダイナミックマップなど6つのテーマで討論が行われる。
SIP-adusのワークショップは、自動走行実現他のための社会的・技術的課題を各国で共有するためのものだが、それ以上に来日国は自国の実証実験に各国の協力を呼び込むことに熱心だ。自動運転の実現課程では、その国で車両生産していなくても、先進的な実験を呼び込むことで、社会的な革新を主導できるからだ。
例えば、基調講演の最初は、フィンランドだった。自動運転を加速するには、通信インフラの整備が欠かせない。自動運転のためだけの専用通信インフラの必要性も議論になっているほどだ。フィンランドはノキアをはじめとする通信技術に強い企業を抱える。
同国では今後、公道での無人バスを走行させる自動走行実験を予定する。講演を行ったアンネ・ベルネル(Anne Berner)運輸通信大臣は、自国の取り組みに各国企業の参加を呼び掛けた。
「(フィンランドは自動走行に関する)法規制を改正し、俊敏な対応をしていく。それにより各国とユーザー経験を共有したい。情報セキュリティ、モバイルネットワークも確立していく」