燃費性能はエンジンオイルで変わるのか? 鉱物油 vs 全合成油【前編】

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燃費性能はエンジンオイルで変わるのか? 同じ5W-30のカストロールEDGEとGTXで検証
  • 燃費性能はエンジンオイルで変わるのか? 同じ5W-30のカストロールEDGEとGTXで検証
  • 燃費性能はエンジンオイルで変わるのか? 同じ5W-30のカストロールEDGEとGTXで検証
  • カストロールEDGEとGTX
  • 2台のトヨタ86で燃費検証
  • “チタンFST”により摩擦を約15%低減
  • オイル皮膜の耐久性が従来品に比べ約140時間長く持続
  • 他社主要合成油商品と比べ、45%油膜が強化され、エンジン内部の金属同士の接触を減らす
  • カストロールEDGE 5W-30

オイル交換をする際、多くの人が気にするのが粘度だ。しかしオイルの品質は粘度だけでは計り知れない。

今回、編集部が興味をいだいたのは、同じ5W-30の粘度を持つオイルでも、種類が異なるとどんな違いが起きるのか? ということ。そこでカストロールブランドから、「GTX」と「EDGE」という2種類のオイルをチョイス。テストを実施することを検討した。

◆鉱物油と全合成油

本題に入る前に粘度について少しだけおさらいをしよう。たとえば5W-30という粘度のオイルの場合。Wが付いた数字が小さいほど低温時の始動性などが高く、後の数字が大きいほど高温時の耐熱性などが高いことを示す。

カストロールのGTXはスタンダードオイルと呼ばれる鉱物油、対してEDGEは全合成油だ。鉱物油というのは原油から精製したままのオイルをベースにして作られたもの。対して全合成油は原油を精製して作られるもの(多く場合ナフサ)を原料に、再構成したオイルをベースとして作られている。鉱物油でも必要十分な性能を確保しているが、全合成油はさらに高性能、とくに各種性能の安定性が高い。

さらにEDGEが高性能と謳う理由のひとつが、チタン油膜強化技術「チタンFST」を採用していることだ。これにより油膜強度が増し、油膜の破損を防いで摩耗を減らすことで、エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能になるという。

◆エンジンオイルの性能

エンジンオイルの性能を表す指針としてAPI規格というものがある。ガソリンエンジン用オイルのAPI規格は、SAからSNまで(I、Kは欠番)に格付けされ、SNが最上格となっている。(※2013年6月現在有効な分類は、SJ~SN、SA~SHは既に終了)そのSNに格付けされているのがEDGE、GTXはSNの次の格となるSMとなっている。

GTXのSM規格については、次のように規定されている「SL規格よりも、省燃費性能の向上、有害な排気ガスの低減、エンジンオイルの耐久性を向上させた環境対応オイル。またこれまで試験の無かった劣化油の低温粘度を計る試験が追加され、低温流動性、酸化劣化に優れたベースオイルを使用する必要がある」

このようにGTXは鉱物油をベースオイルとしながらも、SM規格をクリアする高性能オイルなのだがEDGEはさらにその上をいくSN規格だ。SNは「SM規格よりも、省燃費性能、オイル耐久性、触媒システム保護性能の改善が求められる。省燃費性能の持続の更なる向上。オイル耐久性はピストンデポジットの発生を改善。触媒システム保護性能の改善は触媒に悪影響を与えるリンの蒸発を抑制することが求められる」となっている。

◆トヨタ86で燃費を検証

これは燃費の向上はかなり期待大。ということで、今回はトヨタ『86』を2台用意して、1台にはGTX、もう1台にはEDGEを入れ、燃費計測の旅に出た。目指すは総走行距離500kmオーバー。高速道路だけでなくワインディングを含む一般道を100km程度は走る複合的なコースでの計測に挑んだ。

具体的なコースとしては朝、都内杉並区のガソリンスタンドで満タン給油してスタート。中央道から圏央道経由で関越道に入り、碓氷軽井沢インターで一般道に下り、浅間山をグルッと一周して上田に。上信越道、長野道、中央道を経由し調布府中インターで高速道路を下りる。500kmオーバーの距離を走行後にふたたび給油し、燃費を計測。そして、興味深い結果が得られた。

(後編:実証編へ続く)

カストロールエッジ 詳しくはこちら

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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