【スバル インプレッサ プロトタイプ 試乗】トルクベクタリング装備車は「飛び級なみの進化」…諸星陽一

試乗記 国産車
スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ
  • スバル インプレッサ プロトタイプ

スバルは5代目となる新型『インプレッサ』のプロトタイプをメディアに公開。静岡県内にある閉鎖されたコースで試乗会が行われた。

新しいインプレッサは、スバル・グローバル・プラットフォームと呼ばれる新しいプラットフォームを採用して登場する。この新プラットフォームは今後のスバル車に拡大採用されるもので、新世代のスバル車の総合的な性能を左右する重要なキーアイテムとなる。

新型インプレッサには5ドアとセダン、1.6リットルと2リットルの2種のエンジンが用意される。試乗車として用意されたモデルは、5ドアボディに2リットル自然吸気エンジンを搭載する仕様。エンジンは軽やかに回り、スムーズにトルクを発生する。組み合わされるミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVT。ミッションからのノイズも低く抑えられ、フィーリングは上質だ。

さて、なんといっても注目は新しいプラットフォームとトルクベクタリングから得られるハンドリングだ。試乗車は17インチ仕様(205/50R17・ブリヂストントランザT001)と18インチ仕様(225/40R18・横浜ゴムアドバンスポーツV105)があり、トルクベクタリングが装備されるのは18インチ仕様だ。

トルクベクタリングが装備されない17インチタイヤでの走りもシャープでクリア。なおかつ路面の継ぎ目などを乗り越えてもしっかりとショックを吸収し快適な乗り心地を確保している。ステアリング操作に対するクルマの動きも正確。ステアリングギヤボックス周辺の剛性を高めた新プラットフォームの効果を絶大に感じられる。しっかり一世代の進化をしていると感じた17インチ仕様だが、18インチ仕様に乗ってその感想は驚きに変わった。

コース上には左に大きく回り込んだコーナーが存在し、そこはしっかりブレーキングしてフロント側に荷重を移動してアプローチしないとクリッピングにつけず外に膨らんでしまうのだが、トルクベクタリングが装備された18インチ仕様車はアクセルを踏んだままでノーズがグングンとインを向く。その動きはまるでスポーツカー。17インチ仕様車は一世代の進歩だったが、18インチは飛び級し二世代もしくは二世代半の進化したシャシー性能という印象だ。

ただひとつ気になることがある。この素晴らしい性能を発揮するトルクベクタリングが18インチ仕様にのみ標準装備される。クルマのシャシー性能を補助することが目的のトルクベクタリングなのだから、18インチ仕様よりもプアなタイヤを履く17インチ仕様にこそトルクベクタリングは装備されるべきだろう。すくなくともオプションでは選べるべきだと私は思う。205/50R17と225/40R18では、タイヤ交換時のコストも大きく異なる。素晴らしい性能を持つトルクベクタリングだけに、より多くのユーザーがその恩恵を受けられるべきだ。

新型インプレッサの価格は先代とほぼ変わらないと言われているが、まだ正式に価格は発表されていないので、オススメ度についての★印は付けないでおく。価格が発表されてからの試乗で、きちんと評価しようと思うが、本当に価格の変化がないなら、5つ★となるのは必須だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集