新型エンジン『Milwaukee Eight(ミルウォーキーエイト)』に注目が集まる2017年式のハーレーダビッドソンだが、日本のラインナップへ新たに加わる異色のニューモデルもある。リア2輪のトライク『FREE WHEELER(フリーウィーラー)』だ。「いったい、どんなモデルなのか…!?」渡米し、乗ってきた。ハーレーの純正トライクは、2013年秋から『トライグライド ウルトラ』というフルドレッサーが販売されてきたが、今度のはシンプルな装いとしたストリップ仕様。トライグライド ウルトラにあったプロテクション効果の高い大柄なカウルや足もとをガードするロワーフェアリング、オーディオの装備もない。見た目はスッキリとしていて、ワイルドなムードが漂っている。オーナーになったらこのまま乗ってもいいし、シンプルだから自分好みにカスタムし尽くすのもいいだろう。エンジンは最新式のミルウォーキーエイト107(排気量1745cc)を積み、さすがに力強い。車両重量 507kgの車体も、クラッチを繋いだ途端に悠然と加速させ、もたつくどころが鋭いスロットルレスポンスでキビキビ走る。ワインディングは苦手かと勝手に思っていたが、これがなかなか面白い。3つのタイヤがしっかり路面に食いつき安定感があるから、ついついアクセルが大きく開く。オーリンズ製のステアリングダンパーを装備したことで、ハンドリングに振れは出ないが、夢中になってペースを上げすぎると、マシンよりもライダーが堪えきれなくなりそう。それほどにスポーティに走ってくれるのだ。ブレーキのコントロール性が秀逸なのは、専用の6ポットキャリパーをフロントに備えているおかげ。乗り手がリアブレーキをかける(ブレーキペダルを踏む)と、6ポットのうち2つのポットだけ連動して程良い制動力を前輪でも発揮。この前後連動ブレーキが急制動でもスリップを回避し、高い安全性をもたらしている。免許はバイクではなく、普通四輪車のMT免許だけで乗れるというのも新しいユーザー層を増やしそう。経済性にも魅力があり、有料道路の料金区分はオートバイと同様で、4輪車で必要となる車庫証明も不要。車体がバンクしないなど操作フィールは異なるものの、感じる風はバイクそのもの。リバースギヤを備えているから取り回しに苦労することはないし、立ちゴケの心配だって要らない。憧れのハーレーに乗る手段が1つ増えたことになる。■5つ星評価パワーソース:★★★★★フットワーク:★★コンフォート:★★★★取り回し:★★オススメ度:★★★★青木タカオ|モーターサイクルジャーナリストバイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。
新型ハーレー『ブレイクアウト』&『ローライダー ST』に、SNSでは「更にカッコ良くなってきた」「奥さんの説得頑張るか」など反響 2025年7月10日 ハーレーダビッドソンジャパンは7月3日、2025年モデルに加わる…