アメリカ・タコマ(ワシントン州)にて開催されたハーレーダビッドソンのメディア向け試乗会で、話題のニューエンジン『Milwaukee Eight(ミルウォーキーエイト)』を心臓部に持つ2017年式『ウルトラリミテッド』に乗ることができた。美しいワインディングが続くオリンピックナショナルパークをメインに、2日間400マイル(約640km)のテストライド。山岳路、ハイウェイ、市街地で、ミルウォーキーエイトエンジン搭載車の乗り味を確かめてきた。見る者を圧倒するフラッグシップモデルに相応しいウルトラリミテッドの堂々としたスタイリングは相変わらずだが、車体サイズは従来とほとんど変わっていない。実車を目の当たりにするまでは、ニューエンジンの採用によって車体が大きくなるのではないかと懸念していたが、その心配は無用だった。カタログ値のシート高は740mmで従来モデルと変わらないが、実際に乗ってみると足着き性が良くなっていて、これはプライマリーチェーンケース本体とカバーが薄くなっていることによるもの。それでも車両重量412kgと重量級のウルトラリミテッド。「取り回しが不安」という人のためにロー仕様もラインナップされ、こちらはシート高675mmと、65mmほどシートを下げている。肝心のミルウォーキーエイトエンジンは、Vツインエンジンらしい鼓動感に満ちあふれ気持ちがいい。ウルトラリミテッドには、ボア×ストローク100×111.1mm、1,745cc(107キュービックインチ)の排気量を持ち、シリンダーヘッドの排気バルブまわりに冷却のためのウォーターラインを設けた『ツインクールド・ミルウォーキーエイト107』が採用された。2つのラジエターがライダーの足もとをガードする左右のロワーフェアリングに収まっており、見た目は従来の美しい空冷エンジンとしながら熱問題を解消している。熱対策には万全を期しており、ミルウォーキーエイト導入車はリアシリンダーからのエキゾーストパイプをライダーの股下から遠ざけるように内側へ寄せ、さらに足を地面に出したときに熱を感じないよう排気管のキャタライザーをマフラーエンドに移設した。途中、ひどい渋滞にハマったが、たしかに長年ライダーを悩ませたハーレー・ビッグツイン特有の熱をほとんど感じることがなかった。ひと目でハーレーダビッドソンとわかる大柄で特徴的な『バットウイングフェアリング』を持ち、「King of Highway」とも呼ばれるハーレーの最上級モデル。1.7リッター超のパワフルなエンジンを獲得し、ますますプレミアム感を増している。■5つ星評価パワーソース:★★★★★フットワーク:★★コンフォート:★★★★★足着き:★★★オススメ度:★★★★青木タカオ|モーターサイクルジャーナリストバイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。
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