ホンダは9月16日、コンパクトミニバン『フリード』を全面改良し、発売した。開発責任者を務める本田技術研究所の田辺正主任研究員は「一番こだわったのが動的性能」と言い切る。
田辺氏は「それがわかるのが、リアの足回り」とした上で、「クラスのクルマではほとんどつけてないコンプライアンスブッシュをフリードは先代も採用しているが、先代のものは小さく必要最低限のものだった。新型ではこれを大型化することで、リアのトーションビームの足を狙った通りに動かせることができるようにした」と明かす。
「リアを固めることによって直進安定性が増す。ハンドル切った時にまずフロントタイヤが切れる、その後リアがどうやってついてくるかというのが、トータルでの応答性。大型のコンプライアンスブッシュがあることによって、ねじれ、よれが少なくなるので、回頭性が上がる。それは女性が運転しても実感できる」と田辺氏は強調する。
さらに「この剛性を上げることで、ロードノイズにも寄与している。それからもっと驚いたのが高速からのフルブレーキ。0.8Gくらい。一般の人はそんなブレーキ踏まないですけど、それで踏んだ時にどこまで車線がずれるかテストしたら、ほとんどずれなかった。そのくらい制動時の安定性、安心感がもたらされている」とも。
また「うねった道を走ってみると先代は常にステアリングを修正していないとまっすぐ走らない感じがしたが、同じ道を新型で走ると、極端な言い方をするとちょっとハンドルに手を添えているくらいでも、車自体がまっすぐ走る力が強い。とても楽に運転できる。それは高速度道路で惰行しない。疲れが少ないという効果も提供できている」と自信を示した。