JR北海道、釧網線などまもなく再開へ…石北線は前倒し

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JR北海道の鉄道路線。運休中の区間(赤)は約390kmに及ぶ。
  • JR北海道の鉄道路線。運休中の区間(赤)は約390kmに及ぶ。
  • 根室本線落合~新得間にある広内信号場構内の第2谷間川橋りょう。線路が流出している。
  • 根室本線落合~新得間にある広内信号場構内の第2谷間川橋りょう。線路が流出している。

JR北海道は9月14日、連続して襲来した台風の影響で運休中の各線について、今後の再開見込みなどを発表した。釧網本線は9月16日に全区間の運転を再開する予定。日高本線の苫小牧~鵡川間も今週末には再開する予定だ。

石北本線は再開時期が若干前倒しされたが、石勝線や根室本線は依然として全区間再開のめどが立っていない。発表によると、各線区の再開見込みなどは以下の通り。

■石勝線・根室本線 トマム~新得~芽室間 64.0km

この区間では橋りょうが3本流出。他にも土砂の流入や線路の流出、護岸の崩壊など大きな被害だけでも12カ所に及ぶ。現在は被災状況の調査を進めて復旧工事に着手したところだが、復旧時期のめどはたっていない。「少なくとも11月末まで運転再開は困難な状況」という。

現在はトマム~帯広間でバスによる代行輸送を実施。このほか、新得~芽室間でも学生通学向けの代行バスを運行している。

■根室本線 富良野~東鹿越~幾寅~落合~新得 81.7km

この区間では、とくに幾寅~新得間の設備の損壊がひどい。線路にアクセスするための道路がない場所も多く、復旧作業は相当な困難を伴うという。再開時期は未定だ。

富良野~幾寅間は、幾寅川橋りょうの護岸が流出するなどの被害が発生しているものの、土木関係の復旧は「何とか計画できる」とし、既に復旧工事に着手している。しかし、信号システムは東鹿越~新得間で「壊滅的に損壊」しており、復旧は多大な困難を伴うという。このため、まずは富良野~東鹿越間の先行再開(10月中)を目指して土木工事が進められている。東鹿越~落合間はバスによる代行輸送で対応するという。

現在は富良野~幾寅間で学生通学向けの代行バスを運行している。

■石北本線 上川~白滝 37.3km

これまでは10月中旬の応急復旧による運転再開を目指すとしていたが、工事が順調に進んでいることから、応急復旧による再開時期が10月上旬に前倒しされることになった。現在は上川~遠軽間で代行バスを運行している。

■日高本線 苫小牧~鵡川 30.5km

ケーブルの断線により運行管理システムが使用できなくなり運休しているが、今週末の再開を目指すとしている。代行バスは苫小牧~鵡川間で運転されている。

■釧網本線 摩周~知床斜里 58.4km

湿地帯を通る路線のため、線路が水につかるなどの被害が発生していたが、9月16日14時頃からの再開に向けて準備が進められている。

このほか、2015年1月以降の水害で以前から運休している日高本線鵡川~様似間116.0kmは、今回の台風襲来で被害がさらに拡大している。

《草町義和》

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