富士経済は、二次電池15品目、一次電池8品目の世界市場と開発動向を調査、その結果を報告書「2016 電池関連市場実態総調査 上巻」にまとめた。
報告書によると、リチウムイオン二次電池がけん引し、今後も二次電池市場は拡大を予想。世界市場は2015年の6兆4782億円から2020年には8兆1456億円に伸長すると予測する。
リチウムイオン二次電池はニカド電池やニッケル水素電池(小型)などからの需要シフトと車載用の増加により伸びている。特に車載用のリチウムイオン二次電池は、中国政府が電動自動車(EV)の普及に本腰を入れていることを背景に2017年から2018年にかけて多くの自動車メーカーがEVのラインアップを拡充させるとみられることから、シリンダ型、車載専用タイプとも大幅な伸びが期待される。
充電式電動工具を最大用途先とする二カド電池や、応用製品の多くが市場縮小しているニッケル水素電池(小型)は、リチウムイオン二次電池のラミネート型やシリンダ型にシフトしており縮小が予想されるが、ニッケル水素電池(小型)は産業や医療用途向けの伸びが期待され微減にとどまる。リチウムイオン二次電池でも角型はスマートフォン向けがラミネート型にシフトしており、ノートPC向けも高い成長が期待できないことから縮小が予想される。
一次電池はアルカリマンガン乾電池が堅調。先進国ではマンガン乾電池からアルカリマンガン乾電池へのシフトが一段落したが、新興国ではアルカリマンガン乾電池へのシフトが継続しており、今後も新興国向けを中心に需要は増加するとみられる。
一次電池の世界市場は、2015年の1兆0922億円から2020年には1兆1323億円に伸長すると予測する。