オートデスクは、スミソニアン博物館が所蔵しているアポロ11号司令船「コロンビア」の高解像度3Dスキャンデータの作成に協力、同博物館が提供を開始したと発表した。
この3Dデータは宇宙船の外部と内部を詳細に見ることができ、これまで学芸員も見ることのできなかった飛行士の手書きメモまで確認することができる。3DスキャンデータはWebブラウザで見たり、ファイルをダウンロードして3Dプリントしたり、VRゴーグルで見ることができる。
司令船の表面に使用されている反射材が原因で、市販されている3Dスキャナーでは読み込みが正確に行えなかった。また、内部のダッシュボードは多数の小さな部品で複雑に構成されているため、難しい作業になったとしている。
同社は今回の司令塔のマスター3Dモデルを作成するため、市販の3Dスキャナーを改造して独自の機材を開発した。複数箇所でスキャンしたデータを1つのモデルに統合するためのアルゴリズム、膨大なデータを処理するためのソフトウェアも開発した。
スキャンは7種類の異なる方法で実施、測定した箇所は約1兆カ所、データ容量は圧縮して1テラバイト以上になり、詳細なマスターモデルが完成した。このデータを基に、スミソニアン博物館のキュレーターが司令船の3Dエクスペリエンスを、解説付きで、インタラクティブに公開できるようにした。