モトクロスコースでアルパインスターズの2017オフロードギヤを体感する『ALPINESTARS 2017 MX & RIDE DAY』。同社モトクロスブーツのフラッグシップモデル『TECH10(テック10)』の履き心地には驚いた。
なんといってもフィット感がいい。通常、新品のモトクロスブーツはプロテクション効果を得るため全体的に硬く、履き慣れて柔らかくなるまでは足首がしっかり曲がらず、シフトチェンジやブレーキペダル操作がしにくいものだが、履いた途端に足に馴染み、フットコントロールが思いのまま。
これは5つの異なる素材が組み合わさり、軽量な1つのパーツとなっているからで、強度だけでなく、柔軟性や構造的整合性を実現したことによるもの。
履いたときに軽さも感じ、全体にフルグレインレザーと軽量なマイクロファイバーなどを使っていることで、軽量化を達成している。
インナーブーティーは両サイドにトーションバーを用いて、クラッシュ時のねじれを防ぐとともに、動きをより自由にした。
そして甲は薄く柔軟性の高い素材、カカトと足首にはTPUプロテクションと衝撃吸収パッドを用いて、ライディング時の繊細なコントロールを可能としている。
ヒザに装着する『FLUID TECH CARBON KNEE BRACE(フルード テックカーボン ニーブレース)』の自然な装着感にも驚いた。ニーブレースは、アクシデント時にヒザが伸びきるのを防ぎ、動きを抑制することなく膝蓋骨を衝撃から守る昨今のモトクロスやエンデューロなどでは重要なプロテクターだ。記者が日頃から使っている他社の旧型の製品は、金属フレームがスネを圧迫する感覚があり、長時間の装着では痛みを伴うほどだった。
しかし、フルード テックカーボン ニーブレースでは、付けているのを感じさせないスムーズな動きと快適なフィット感があり、これまでに味わったことがない着け心地。
バックルとベルクロを使用したデュアルストラップシステムでしっかり固定しているにも関わらず窮屈さはなく、着脱も簡単かつスピーディだった。
軽いという点も素晴らしい。これはカーボンポリマー素材を使用したことによるもので、半硬質TPUを膝カップに、裏側には衝撃吸収性の高いPUメモリーフォームを使用し、トップレベルの強度とともに常に快適さを保つ。
アルパインスターズのメディアサービス担当、ジェレミー・アペレトン氏によると、「各ライダーの足によりフィットするよう調整も可能」とのこと。製品を確かめると、膝の幅に合わせた調整を可能とするスペーサーが標準装備され、左右ともに1mm、2mm、3mmのスペーサーを付属。足の湾曲に合わせられるようになっている。