プラチナ価格、前年比1051円安の3526円…2016年1-6月

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田中貴金属工業は、2016年上半期(1~6月)におけるプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。プラチナの2016年上半期の国内平均価格はグラムあたり3526円で、前年同期の平均価格4577円を1051円下回った。

2016年のプラチナ価格は、中国経済の先行き不透明感を背景に進んだ株安や原油価格の下落、自動車をはじめとする産業用需要への懸念などの影響で、1月の平均価格3335円/gは、2009年2月以来の安値水準となった。2月以降の価格は、米国の金融政策動向を背景に上昇基調に転じたが、世界経済への不安感の継続から、上昇は緩やかなものとなった。

4月以降は、原油価格の上昇により自動車触媒などの産業用需要への期待感に加え、プラチナ触媒を多く使用するディーゼル車需要の高い欧州で新車台数販売数が底堅く推移したことなどにより価格は上昇し、5月9日および13日に今年最高値となる3777円/gを記録。しかし、高値をつけたことにより、日本を中心とした投資需要が伸び悩みを見せたことから、徐々に値を下げた。その後、英国のEU離脱が決定されると、急騰する金相場の後を追う形でドル建てプラチナ価格も上昇したが、一方で円相場が1ドル99円台にまで高騰したことで価格は相殺され、国内プラチナ価格は3300円/g台に留まった。

2016年上半期におけるプラチナ地金の販売量は、前年同期比で倍増の8601kg。買取量は同12.4%増の1458kgとなった。2016年は年初に一時、1000円/g近くまで広がりがあった国内プラチナ価格と国内金価格との価格差が、4 月以降徐々に縮まったことで販売量が減少し、5月には1年ぶりに1000kgを割り込んだ。しかし、6月に入ると再び価格差が広がり、6月の販売量は5月(813kg)の約2倍となる1725kgを記録。また、5月の本年最高値をつけた場面でも買取量の増加の伸びは限られたことから、長期保有の傾向が伺えた。

今後は、世界経済動向による国内プラチナ価格と国内金価格の価格差や、7月以降に行われる南アフリカの労使交渉の先行き、また世界経済の動向等に市場の注目が集まることが予想される。

《纐纈敏也@DAYS》

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