2015年のプラチナ価格、前年比550円安の4205円…VWの排ガス不正問題も影響

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田中貴金属工業は、2015年(1-12月)の年間資産用プラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。

プラチナ地金の2015年における国内価格の平均はグラムあたり4205円で、2014年の年間平均価格はグラムあたり4759円を550円下回った。

2015年のプラチナの国内価格は、1月15日にスイス国立銀行が対ユーロ為替上限撤廃を発表すると一時的に値が上昇。しかし、ディーゼル車需要の高い欧州の景気先行き不透明感が強まったことで価格の上昇は限定的となり、1月19日には1年9か月ぶりに金価格を下回った。

その後も緩やかに値を下げる中、7月に上海株式総合指数の下落によるアジア圏の実需後退懸念や世界的な景気減速への不安感が強まったことで、リーマンショック後の2009年2月以来6年ぶりに国際価格は1トロイオンス1000ドルを切り、国内価格も3年ぶりに4000円/グラムを割り込んだ。9月以降も独フォルクスワーゲン社のディーゼル車排ガス不正問題の発覚や、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測を背景に一層下落を続け、12月14日には2015年の最安値となる3367円/グラムとなった。

プラチナの販売量は、2015年上期(1-6月)が前年同期比で約2.2倍、2015年下期(7-12月)が同約4.5倍、通年では前年比約3.6倍となり、年間販売量の過去最高となる1万6732kgを記録した。買取量は2015年上期が同51.3%の減少、2015年下期が同32.2%の減少。通年では前年比44.4%の減少となった。

2015年の販売量は値ごろ感を背景に増加し、下期だけで年間の販売量の約75%を占める1万2533kgを販売。一方、買取量は、年平均価格が2014年の平均価格よりも値下がりしたことから、様子見の傾向が伺えた。

今後は、南アフリカ鉱山会社の生産状況や中国経済の動向に市場の注目が集まる事が予想される。

《纐纈敏也@DAYS》

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