ヴィンテージハーレーがお台場のクローズドコースを元気よく駆け抜けた。1926年製のモデルJD、そして1935年製のモデルVLD、90年前と81年前につくられた貴重な2台だ。
ハンドシフトでギヤチェンジし、モデルJDはフロントブレーキさえ備えておらず、後輪ブレーキのみで減速・制動する姿にマニアたちはシビれっ放し。
これは新車のハーレーを試乗でき、その場で商談もできるイベント『THE LEGEND ON TOUR in 東京』(東京・お台場、船の科学館前特設会場)でのこと。持ち主であり、2台を走らせた陸友モータース(東京都大田区)・佐藤忍 代表取締役社長はこう言う。
「創業113年というハーレーの長い歴史を感じていただきたいと思い、披露しました。2台のハーレーは80年以上も前につくられたものですが、こうやって今だに完調で走らせることができるのは、ハーレーが丈夫であると同時に熱烈なファンが世界中にいて、部品に困らないということも大きいと思います」
そして、佐藤社長はこう締めくくった。
「いま売っているハーレーも、ずっと乗り続けてくだされば、このようなヴィンテージハーレーになるのです。我々ディーラーがユーザーにしていかなければならないことは、新車をただ単に売ってお終いではなく、長く乗り続けられるように継続的にフォローしていくことだと思います。ですのでウチは、旧いハーレーのお客さんがいらっしゃっても整備ができるようにしてきましたし、今後もそうしていくつもりです」
とりわけ、高年式の車両に乗るユーザーたちの居心地が良くなりがちな正規ディーラーだが、佐藤社長は旧いハーレーファンにも足を運んでもらえるよう1983年以前のショベルヘッドエンジン搭載車などに限定したツーリングも企画し、あらゆるユーザー層がハーレーライフを楽しめるよう工夫を凝らしている。
新車を販売することだけに重点を置くのではなく、既存のユーザーを大切にしていこうという考えはハーレーダビッドソン ジャパンも強く感じていることで、ブランドの伝統を誇りにし、カスタムシーンでも正規ディーラーがリードしていられるよう全国115店舗が参加するカスタムコンテストを毎年おこなうなど積極的だ。
今回の会場にも、ピッカピカのニューモデルたちに混ざって、1977年に発売されたFXSローライダーが誇らしげに飾られていた。
THE LEGEND ON TOUR in 東京は入場・試乗すべて無料で、6月5日17時00分まで。