ボッシュのモーターサイクル・パワースポーツ・エンジニアリング統括、服部隆幸氏は、新開発の二輪車専用エンジンコントロールユニット(ECU)をポケットから出し見せてくれた。
人とくるまのテクノロジー展2016に展示されている大型バイク用ユニットより、はるかに小さい。
「コンパクトかつ軽量になったことで、搭載位置の自由度が飛躍的に増しました。そして大きな可能性を秘めているのが、OBD(On Board Diagnosis=車載式故障診断システム)への対応で、目下開発を進めています」(服部氏)
OBDは電気配線が切れるなど不具合が生じたときの機能不良を監視する車載式の故障診断システムで、EURO5以降ますます厳格化する規制により、今後モーターサイクルにも義務付けされるであろう装備。
「たとえばキャタリスト(触媒)が壊れているかどうかの判断も今後求められていくはずで、そういったことも含めトータルでシステムとして開発し、提供していこうと考えております」(服部氏)
また、国内初展示の「サイドビューアシスト」について、同社のモーターサイクル・パワースポーツ・セールスの石井達也氏が教えてくれた。
「これは世界初のバイク用アシスタンスシステムです。ライダーの死角に車両が存在するときにセンサーで感知して警告を発します。センサーは車両の両サイドと後方左右一対に、ほぼ見えないように組み込まれ、車速が25~80km/hで作動し、視認が難しい車両両側の最大5メートル程度の範囲を監視します。警告は死角にいる他の車両との相対速度が10km/h以内の場合だけです」(石井氏)
路上駐車している車両のすぐ近くを通過するなど、オートバイならではの状況を想定してのシステムを構築したとのことだ。