【インタビュー】マツダ ロードスターRF、山本主査「とにかく美しさを感じるボディーに」

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ロードスターRF(ニューヨークモーターショー16)
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  • マツダ 山本修弘主査
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先日開催されたニューヨークモーターショー16で、マツダが世界初公開した『MX-5』(日本名ロードスター)のリトラクタブルハードトップ(RHT)モデル、『MX-5 RF』(ロードスターRF)に、世界中のスポーツカーファンから熱い視線が注がれている。

先代のNC型で追加設定されたRHTモデルは、ソフトトップモデルのデザインを継承したものだったが、今回のND型では車名のRFが示すとおり、独自のファストバックスタイルが採用されることになった。同じRHTモデルでありながら、大きくそのコンセプトを変化させたともいえるMX-5 RFとは、はたしてどのようなニューモデルなのだろうか。山本修弘主査にニューヨークで話を聞いた。

---:ファストバックスタイルのRFを追加設定することは、ND型ロードスターの開発初期から計画されていたのでしょうか。

山本修弘主査(以下敬称略):NC型で誕生したRHTモデルは、オープンカーへの間口というものを、大きく広げてくれたと思います。ソフトトップというのはロードスターのコンセプトとして重要な意味を持ちますが、一方でその世界観は狭い。そこでデザインや利便性、あるいはセキュリティ問題などを考え合わせて、NC型でRHTを提案したのですが、結果的には約半数のお客様からRHTを選択していただきました。その成功をもとに、ND型では開発の初期段階から、ソフトトップとRHTという、ふたつのルーフを企画し、そのデザインやエンジニアリングをスタートさせています。

----:RFでは、先代とはまったく異なるファストバックスタイルが採用されました。

山本:開発初期には、先代モデルと同様にソフトトップと同じスタイルを、RHTを使って実現することも考えました。けれどもキャビンやトランクルームのスペースを犠牲にすることなく、そしてまた美しくRHTを格納することが非常に難しかった。そのためにホイールベースやボディーサイズを拡大しようというのは、我々マツダのエンジニアリングではありません。そこで考えられたのが、まさに逆転の発想ともいえるファストバックスタイルだったのです。オープン時にもリアルーフをそのまま残すという決断をしたことで、RFのデザインは一気に進みました。

----:ソフトトップとRFでは、どのようなキャラクターの違いがあるのでしょうか。

山本:ソフトトップとRFは、ルーフのスタイルだけが異なるクルマではありません。キャラクターの違いは、走りからも十分に感じていただけると思います。ソフトトップがカジュアルな雰囲気のスポーツカーだとするのならば、RFの走りはよりフォーマルに、落ち着いたイメージでしょうか。そしてRFは、これまでオープンカーやスポーツカーに乗ったことがないという、新しいお客様を迎えるためにも大切な商品です。またこのRFがあるからこそ、逆にソフトトップの良さというものが分かっていただける可能性もある。ソフトトップとRFを単に平面で比較するのではなく、3次元でND型ロードスターの世界観を広げていきたいというイメージ。開発時にはそれを強く意識していました。

----:オープンでもクローズでも、非常に美しいと感じるシルエットですね。

山本:ルーフをクローズした状態でも、とにかく美しさを感じるボディーをデザインすることにこだわりました。実際にRFをドライブするお客様は、ルーフをクローズして走りを楽しまれる時間が長いと思います。ならばクローズドのスタイルを基本に、オープン時にもそのシルエットが変化しないデザインを、このRFには与えた方がよいと判断したのです。そしてどのようなシルエットがベストなのかと考える中で生まれたのが、ボディー後方に向かって流れるような造形を特徴とする、ファストバックスタイルだったのです。

《山崎 元裕》

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