4月19日に発表されたばかりのハーレーダビッドソンの新機種『ロードスター』の実車を、フランス・マルセイユで目の当たりにした。まだ日本に上陸していない出来たてホヤホヤのニューモデルだ。
実車を見てまず感じるのは、純粋にライディングを追求してきたなということ。前後サスペンションがスラリと長く、足着き性やシルエットを重視したローモデルにはない軽快感が全身から漂っている。
インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークはVロッドやXR1200/Xに採用されてきたが、H-D社プロダクトプランニング・ディレクターのポール・ジェームス氏によると、新開発のプレミアムライド・カートリッジ式で、4.5インチ(115mm)のホイールトラベルを確保。専用のトリプルクランプでマウントされ、フォーク取付幅は1200カスタムや1200スーパーロー、スーパーロー(883)らと同じ8.5インチのワイドタイプとなっている。
また、昨年までラインナップに名を連ねた883cc時代のロードスターでは、ダートトラックレーサーXR750譲りのアップハンドルが備わっていたが、1200ccエンジンを搭載する新型では、前傾のライディングポジションを形成するローライズハンドルバーを新採用。
フロント19、リア18インチのアルミキャストホイールも専用に開発されたもので、H-D社のインダストリアルデザイナー、ベン・マッギンレー氏は「クラシックなワイヤースポークホイールにインスパイアされ、これまでのどのホイールよりも複雑な構造になっています」と、その造形美に自信を見せる。
従来のボブタイプのスポーツスターフェンダーよりも1.5インチ短縮されたリアフェンダーや、フューエルタンク上部のレーシングストライプ、ホールド性の高いリブ付きツーアップシートも見るからにスポーティ。直径4インチのアナログ式タコメーターには、速度を表示する液晶ディスプレイが埋め込まれた。
ベン氏は言う。「シートにあるいくつかのパッドは、アーマードジャケットにインスパイアされたものです。そしてシートのシルエットが、そのまま流れるようにテールエンドに繋がります」