先進技術実証機「X-2」、4月下旬の初飛行に向けたテスト継続

航空 テクノロジー
名古屋空港で滑走試験を進めている先進技術実証機「X-2」。
  • 名古屋空港で滑走試験を進めている先進技術実証機「X-2」。
  • 航空ファンの注目度はMRJ以上。三菱重工業の敷地内から進出してくると空港の展望デッキでは歓声が上がり、直後にそれを打ち消すようなシャッター音が響く。
  • 現在は防衛装備庁への引渡し前であり、試験は製造元の三菱重工業が実施している。
  • 次世代戦闘機に必要とされる技術を実証することが目的であり、X-2が次世代戦闘機のプロトタイプというわけではない。
  • 機体規模は小さく、サイズ的には自衛隊のジェット練習機「T-4」と似通っている。
  • キャノピーを含め、操縦席はT-4から流用したとも言われているが、計器パネルは液晶モニターに置き換えられている。
  • レーダーに映りにくいステルス形状を採用。エンジン吸気口は小さい。
  • 初飛行までに7回の滑走試験が実施される予定だが、マイナートラブルの発生で遅れが生じている。

MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の試験飛行で注目されている名古屋空港だが、MRJ以上に航空ファンから注目を集めているのが先進技術実証機「X-2」だ。防衛装備庁が開発を進めているもので、4月下旬の初飛行に向けた滑走テストを続けている。

X-2は、今年1月の型式命名まで「ATD-X(Advanced Technological Demonstrator-X)」と呼ばれてきた。一部では「心神(霊峰としての富士山の意)」という非公式名称も使用されている。「レーダーに反映されにくいステルス技術」や、「推力偏向機構を用いた高運動性能」など、日本が今後開発を進めていく次世代戦闘機に必要とされる(であろう)技術を実証するための機体であり、X-2が次世代戦闘機のプロトタイプというわけではない。

MRJと同様に三菱重工業が製造を担当し、小牧南工場に隣接する名古屋空港を利用した滑走テストを行っているが、初飛行までに必要不可欠な高速滑走試験はまだ実施されていない。初飛行の予定もこれまでに数度の延期がなされ、最新の予定では「4月下旬見込み」となっている。

《石田真一》

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