1972年に登場した「アウディ80」をルーツに持つDセグメントのセダンが『A4』。試乗した最新モデルはA4となって5代目となる。クルマに乗り込むためにバー型のドアハンドルに手を掛けて手前に引くが、これが思ったように引けない。普通、このタイプのドアハンドルは前側にヒンジがあって、横方向にバーが動くが、新しいA4は左右両方にヒンジがあり、上方に引くタイプになっている。つまりバーに対して下から手を入れると楽なのだが、形状的には上から手を入れたくなる。これはデザインと機能がリンクしていない感じがする。ドライバーズシートに座ると、オプションとして装着されているバーチャルコクピットと呼ばれるメーターパネルが目に入る。バーチャルコクピットは液晶を使ったメーターパネルで、スピード&タコメーターだけでなく、ナビ画面などさまざまな表示が可能になっている。液晶系のメーターパネルとしてはかなりリアル感があって好感度が高い。「2.0TFSIクワトロスポーツ」に搭載されるエンジンは直噴とポート噴射の2つの燃料噴射方式を併用するデュアルインジェクションと呼ばれる2リットル4気筒ターボで、最高出力は252馬力、最大トルクは370Nmを発生する。組み合わされるミッションは7速のSトロニック(デュアル・クラッチ・トランスミッション)。アクセル操作に対する反応は非常によく、パワフルな走りが可能だ。A4にはエフィシェンシー、コンフォート、オート、ダイナミック、インディビディアルの各走行モードを選べる「アウディドライブセレクト」が装備されている。ダイナミックモードはサーキット走行もこなせそうなほどに引き締まったハンドリング&パワーフィールを披露する。コンフォートに切り替えてもその引き締まり感はスポイルされない。日本車ならコンフォートモードにしたとたんにダルダルのフニャフニャになるところだろうが、そこを引き締まったままにするところがいかにもドイツ車。しかし、もう少しゆるいほうがコンフォートだと思う。車内全体から感じる質感の高さはさすがアウディ。Dセグと言っても、その品質感は1クラス上のEセグを感じさせるもの。日本で使いやすいサイズと上級感は、オーナーの心をくすぐること間違いなし。標準状態で624万円、試乗車はオプションとしてSラインパッケージとマトリクスLEDヘッドライトパッケージが装着され701.5万円…心をくすぐってくれなきゃ困る。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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