【池原照雄の単眼複眼】次期 インプレッサ で欧州車凌駕を狙うスバルの新プラットフォーム | レスポンス(Response.jp)

【池原照雄の単眼複眼】次期 インプレッサ で欧州車凌駕を狙うスバルの新プラットフォーム

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スバル インプレッサ セダン コンセプトと富士重工業 吉永泰之社長(ロサンゼルスモーターショー15)
  • スバル インプレッサ セダン コンセプトと富士重工業 吉永泰之社長(ロサンゼルスモーターショー15)
  • 富士重工業の吉永泰之社長(右)と武藤直人専務執行役員(左)とスバルグローバルプラットフォーム
  • スバルグローバルプラットフォーム
  • 東京モーターショーで公開されたスバル インプレッサ 5ドア コンセプト
◆剛性の飛躍的向上で走りの「質感」を徹底追求

富士重工業(スバル)がメディアを対象にした「次世代SUBARU説明会2016」を開き、今年から導入する新プラットフォーム(車台)などによる今後の商品戦略を提示した。走りの質感向上や安全技術の強化、統一感あるデザイン展開によって「スバルの強みを伸ばす」(吉永泰之社長)構えだ。

価格は現状を維持しながら、走りの質感では欧州のプレミアムブランドをも凌駕するレベルを目指すという。第1弾として秋までに登場予定の次期『インプレッサ』への期待が高まる。

新プラットフォームは、2年前に2020年までの中期経営ビジョンを発表した際に開発中としていた「スバルグローバルプラットフォーム」(SGP)。車体およびシャシーの剛性は、高張力鋼板の拡大や構造用接着剤の採用などで、現行プラットフォームより部位によって70~100%の向上を図った。これにより直進走行性能の向上や、振動・騒音の低減といった改善につなげていく。


◆100万台メーカーならではの集約効率も実現

SGP開発の指揮を執っている大拔哲雄執行役員は、直進性能や振動・騒音の低減といった走りの質感を「動的質感」と表現する。自社での動的質感の評価だと、現行のスバル車は多くの欧州車に届かないレベルという。SGPとスバル車の特徴である水平対向エンジン、AWD(全輪駆動)との組み合わせによって、この状況の逆転を目指していく。また、車体強度の向上によって、衝突エネルギー吸収率を現行比で1.4倍に高めるなど、強みのひとつである安全性能にも磨きをかける。

SGPは、これまでは2系統だったプラットフォームをこれ1本に統合するという変革ももたらす。トヨタ自動車と共同開発したスポーツカー『BRZ』、およびダイハツ工業から調達している軽自動車などを除き、インプレッサから『レガシィ』までの7車種すべてに展開できるようにした。「年産100万台規模という大きくない会社」(吉永社長)ならではの、集約効率を追求している。


◆不透明な「環境対応」戦略の明示がほしい

さらにSGPは、近い将来の電動化や自動運転技術の普及状況なども予測して設計に反映し、今後開発するHV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインHV)、さらにEV(電気自動車)にも応用可能とした。SGPのライフサイクルとしては25年くらいまでを想定している。技術部門を統括する武藤直人専務執行役員は、1989年に『レオーネ』をレガシィに切り替えた時以来の「大きな変化」としたうえで、「史上最高レベルの総合性能の進化ができた」と、アピールする。

今回の説明会では、デザインの理念および自動運転領域へと進化していく「EyeSight(アイサイト)」の技術展開計画も示された。…と、盛りだくさんだったわけだが、なぜか「欠落感」が残った。HVやPHVといった電動化による環境対応技術のプレゼンテーションがまったく無かったと気付いた。

14年春に公表した中期経営ビジョンでは、内燃機関の燃費改善を「徹底追及」する方針や、HVの展開などが織り込まれている。ただHVは自社開発システムを『XV』に搭載しているのみ。PHVについては目下、トヨタから技術供与をうけている最中である。近いうちに、そうした「環境技術戦略」もつまびらかにすることで、欠落感を埋めてほしいところだ。
《池原照雄》

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