【GARMIN ForeAthlete 920XTJ インプレ後編】高機能極めた“鉄人”専用のトレーニングウォッチ | レスポンス(Response.jp)

【GARMIN ForeAthlete 920XTJ インプレ後編】高機能極めた“鉄人”専用のトレーニングウォッチ

エンターテインメント 話題

アクティビティのトライアスロンを起動すると、スイムからバイクへ、バイクからランへと、ボタン一つで移行することができる。
  • アクティビティのトライアスロンを起動すると、スイムからバイクへ、バイクからランへと、ボタン一つで移行することができる。
  • ランニングなどのアクティビティを終了すると、自動的にリカバリータイムが表示される。運動によって披露した体が回復するまでの時間の目安だ。
  • 自宅に帰ったらWi-Fiを起動すれば無線LANを通じてGARMINコネクトにデータがアップロードされる。
  • GARMINのフィットネスデバイスのデータを一元的に管理できるクラウドサービスのGARMINコネクトでは、本機のデータはこのように表示される。走行ペースや心拍数だけでなく、ランニングダイナミクス機能によってピッチ、上下動、接地時間まで表示される。もちろん走行ルートの記録もGoogleマップ上で確認可能だ。
  • ランニングダイナミクスによるピッチのグラフを拡大表示。理想的なピッチはグリーンで表示され、そこから外れると青や赤など別の色になる。
  • 同じくGARMINコネクトで表示できるデータで、本機のライフログ機能の記録。日常生活での運動量を詳細に知ることができる。
  • GARMINのライフログ機能の特徴でもある睡眠の状態を表示。これを見ると筆者は浅い眠りが多く、十分な睡眠が取れていないようだ。
  • GARMINコネクトは、専用アプリのGARMINコネクトモバイルを使うことでスマートフォンからもアクセスできる。グラフィカルな表示で非常に見やすい
GARMINのGPSトレーニングウォッチ「ForeAthlete」シリーズのなかでも最高峰モデルとして君臨するのが『ForeAthlete 920XTJ』だ。ランニングのみならず、サイクリングやスイミングまであらゆるアスリートスポーツに対応する高機能モデルを実際の使用を通じてレポートしたい。


◆バンドが改良されて細い腕でも無理なく装着、充電クレードルも使いやすくなった

筆者は本格的なアスリートではないため、さすがにトライアスロンは無理だが、可能なかぎりの使用感をお伝えしよう。

まず装着感だが、先代モデルとはかなり異なり、いい意味で普通になった。先代モデルは腕時計といえる大きさの範囲からはみ出してしまう印象だったが、本機はギリギリ、普通の腕時計だといえるサイズだ。24時間つけっぱなしにしていてもとくに違和感はない。この装着感のよさは本体とベルトの固定方法の違いも大きく影響している。先代モデルはベルトが本体にガッチリと固定されて、動かすことができなかった。そのため、腕が細い人はどうしてもベルトと腕の間に隙間ができてしまう。しかし、本機はベルトが自由に動くので誰でも腕にフィットする。

この装着感の良さと並んで、本機の第一印象をよくしてくれるのが、ボタンの操作感だ。先代モデルは本体両サイドのボタンが分厚いラバーで覆われており、押すのに力が必要だったし、押した時のクリック感もやや曖昧だった。しかし、本機のボタンは非常に軽く押せてクリック感も心地よく、複雑な操作が快適にできる。とくにトレーニング途中で操作をするときは操作性が悪いと非常に苛々させられるので、このボタンの改善はうれしい。ついで、といっては変だが、充電クレードルも全面的に刷新され、非常に使いやすくなった。

とりあえずランニングに使ってみよう。まずモードボタンとエンターボタンでパワーセーブモードを解除する。パワーセーブモードとはGPSがオフになっているモードで、この状態では腕時計として使えるほか、これも新たに搭載されたライフログ機能を使うことができる。パワーセーブモードから抜けるとアクティビティの種類を選ぶ画面になるので、「ラン」を選ぶとGPSの衛星補足が始まる。先代モデルのインプレッションでも衛星補足が速くなったと紹介したが、本機は更に速く、数秒で終わる。あとは走りだすだけだ。

ランニングウォッチとしての使い心地は良好だ。本機は見た目のサイズこそ大きめだが、重さは一般的なランニングウォッチとほとんど変わらない。腕を振っても重さを感じることはあまりなく、過度に気になってしまうことがない。その一方で大きなサイズだからこその角形ディスプレイは非常に見やすく、この点では小さなランニングウォッチよりも優れている。ちなみに本機のディスプレイは先代モデルのモノクロ、160×100ピクセルから、カラー、205×148ピクセルへと大幅に進化した。



◆屋内トレーニングにも対応、Wi-Fi搭載でデータのアップロードが簡単

ランニング関連の機能だけでも、本機にはバーチャルパートナーや自動ラップなど様々な機能がある。その中で、本機を使うような上級者が注目するのはランニングダイナミクスとVO2maxだろう。ランニングダイナミクスは先述のハートレートセンサーHRM-Triや、プレミアムハートレートセンサーHRM-Run との組み合わせで使える機能。これらのハートレートセンサーにはGセンサーが搭載されており、腕でなく体幹の動きを検知できる。そこから得られたデータを元に、走行中の上下動、ピッチ、地面接地時間を計測するのがランニングダイナミクスだ。

GARMINの独自調査によると、経験の浅いランナーより経験を積んだランナーのほうが体の上下動が小さい。当然ながら、小さいほうが足の負担が少なく、無駄な体力の消耗を防ぐことができる。ピッチと地面設置時間についても同様にGARMIN独自の評価があり、ランニングダイナミクスで得たデータをもとに、総合的に無駄のないランニングフォームを習得することができる。

VO2maxは、体重1kgあたりに取り込むことのできる酸素の1分間の最大量のこと。何のことかわかりにくいが、要するにVO2maxの数値が高いほど、全身持久力が高い。また、VO2maxを計測することで、5km、10km、ハーフ、フルマラソンの予想タイムを推定することができる。

このようなランニング関連以外にも、本機には数々の機能がある。パワーセーブモードを解除すると表示されるアクティビティの選択画面に、「ラン」、「ラン屋内」、「バイク」、「バイク屋内」、「プールスイム」、「スイム屋外」、「トライアスロン」が表示されることでも、その一端がうかがい知れるだろう。

それぞれ、「屋内」とつくのはGPSがオフになることを意味する。その場合でも、Gセンサーなどを活用して運動量の測定が可能だ。また、プールスイム向けにドリル記録/休息タイム機能がある。フォームの矯正など泳ぎを部分的に集中うして行うドリル練習では、腕をまったく使わないこともあるので、Gセンサーによるストロークの計測で運動量を記録することができない。そういった場合にドリル記録を使用することで、タイムと距離を記録できる。一方、休息タイムは現在の休息時間、休息とインターバルの合計時間を表示することが可能だ。

トレーニングが終わったら、そのデータをGARMINコネクトにアップロードする。GARMINコネクトとは、GARMINのフィットネスデバイスのデータを保存、管理できる無料のクラウドサービスだ。本機はWi-Fiを搭載しているため、自宅に無線LANを導入していればパソコンやスマートフォンに頼ること無く、本機のWi-Fi機能を起動するだけで自動的にデータのアップロードができる。この機能は非常に便利。もちろん、USBでパソコンに接続したり、スマートフォンとブルートゥース接続してアップロードすることも可能だ。


◆マルチスポーツ機能でトライアスロンに対応、ライフログで日常生活の運動も記録

本機の最大の目玉機能といえるのが、トライアスロンへの対応だ。これはマルチスポーツという機能を使うことで実現する。マルチスポーツ機能は複数のアクティビティを連続して計測する機能で、ひとつのアクティビティが終わったらバックボタンを押すと次のアクティビティを選択できる画面に切り替わる。

このとき、ストップウォッチを止めないままで操作が可能だ。マルチスポーツ機能はアクティビティの種類を限定していない機能だが、それゆえにアクティビティを選ぶ操作が常に必要になる。そこで、本機にはアクティビティプロフィールとして「トライアスロン」がプリセットされている。これを使えば、スイムからバイク、ランへと、簡単な操作で移行することができる。

もうひとつの目玉機能であるウルトラマラソンへの対応は、ウルトラトラックモードで実現している。このモードは初期設定されていないので、自分でアクティビティプロフィールを新規作成するか、初期設定のアクティビティプロフィール「ラン」の設定を変更する必要がある。設定項目に「GPS」があり、その選択肢に「オン」「オフ」「ウルトラトラック」があるので、「ウルトラトラック」を選択。これでGPSによる測位が60秒に1回になり、バッテリーライフが38時間に伸びる。

ウルトラトラックモードは毎日の短距離のランニングに使ってもいいだろう。走行ルートや走行距離の記録は誤差が増えるが、一般的にはそれで困ることはない。計算上は、毎日1時間ランニングしても1ヶ月以上も充電の必要が無いことになるから、これはかなり便利だ。

最後にもう一つ、本機から採用された機能であるライフログも紹介しておこう。これはGARMINのランニングウォッチの新製品には必ず搭載されるようになった人気機能で、日常生活での運動量を測定する。測定できるのはステップ数(歩数)、歩いた距離、消費カロリーなど。アクティビティのデータにプラスして日常生活の運動も計測することで、自分の運動量をすべて把握することができる。また、ライフログ機能は睡眠時間とその内容も計測できる。本機を腕につけたまま就寝すると、自動的に睡眠時間を計測し、睡眠中の体の動きから浅い眠り、深い眠りの判別も行う。

本機はGARMINのトレーニングウォッチのなかでもハイエンド機ということで決して万人向けとは言えないが、これまで困難だった水泳のパフォーマンス測定がより簡便に行えるようになり、バッテリーの持続時間も飛躍的に向上した本機は、究極のアスリートを目指す人にとってはこれ以上ない選択肢といえるかも知れない。エントリーからハイエンドまで、GARMINのトレーニングウォッチのラインナップはこの920XTJの登場を持って完成された、と言えるだろう。
《山田正昭》

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