貸切バス事業者、通報窓口「実効性は確保されている」...石井国交相

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通報窓口を設置して、下限割れ運賃で安全運行を脅かす貸切バス事業者を是正する。国土交通省の方針に効果は期待できるのか。

15人の死者26人の重軽傷者を生んだ軽井沢スキーバス事故では、貸切バス事業者の「イーエスピー」(高橋美作社長)に旅行業者「キースツアー」(福田万吉社長)が下限運賃27万円を大きく下回る19万円で依頼した。ただ、貸切バス事業者全体でみると、国土交通省の監査では昨年1798社の監査に対して5社、今年は総監査件数は未集計だが11社で下限割れ運賃が契約されていただけだ。

下限割れ運賃での運行は横行しているのか。事故を受けて設立された検討委員会委員で「基本的に守られている」「氷山の一角だ」と評価が分かれたが、契約運賃が下限を下回る状態で安全は担保できないという考え方は、大勢を占めた。

ただ、問題は通報の効果だ。軽井沢スキーバス事故の契約では旅行会社が下限割れ運賃を持ち掛け、貸切バス事業者がその要求に応じて成立している。限られた関係者しか知ることのない「運送申込書/引受書」の運賃・料金について、誰がどのように通報することができるのだろうか。19日の会見で、石井啓一国交相はこう話した。

「仮に両社が了承していても(下限割れ運賃での契約は)問題であると考えている。こうした契約で格安なツアー料金が設定された場合、同業他社から下限割れの恐れがあるという通報対応機関にもたらされることが予想されるので、実効性は確保されると考えている」

さらに、運賃とは別に業界の慣行となっている手数料についても、その中身が検討できるように国交省は業界に働きかけた。石井氏は、こういう。

「貸切バス事業者と旅行業者との手数料には、いろいろなケースがある。すべからく過大な手数料を取っているわけではないと思うが、仮に過大な手数料をやり取りして、結果として下限割れで契約することは必要な安全コストが削減されることになる」

貸切バス事業者をはじめとする運送事業者にとって、価格競争で切り詰められるコストは他の企業のようにそれほど多くない。人件費や車両購入費など切り詰められるところは下限に近付き、削ろうに多くは見込めないからだ。残る安全コストが、事故が起きなければ単なる負担でしかないと切り詰められる傾向にあった。
《中島みなみ》

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