万座・鹿沢口駅から在来線特急「草津」消え…古くからの温泉街、遠のく[フォトレポート]

鉄道 企業動向

吾妻線を行く185系「草津」、2012年夏ごろ
  • 吾妻線を行く185系「草津」、2012年夏ごろ
  • 吾妻線を行く185系「草津」、2012年夏ごろ
  • 浅間火山博物館に停車中の西武高原バス
  • 西武高原バス運行ルート
  • 万座・鹿沢口駅に到着した軽井沢駅行き西武高原バス、2012年夏ごろ
  • 上野東京ラインで試運転中の185系、2014年夏ごろ(東京)
  • 長野原草津口駅旧駅舎、2012年夏ごろ
  • 万座・鹿沢口駅、2012年夏ごろ
400年以上続く群馬の名湯が遠のく…。嬬恋村の最北にある万座温泉や、最東の鹿沢温泉への玄関口、万座・鹿沢口駅を発着する特急が今春ダイヤ改正から消え、地元の観光施設などからは「吾妻線からの客はもう見込めない」といった声が聞こえた(写真24枚)。

北海道新幹線開業のインパクトの影で、在来線特急の縮小が続く。JR東日本は、今春のダイヤ改正で、都心側の混雑緩和・利便性向上などを図りながら、「利用減少」とみた区間や列車の見直しを実施。新宿を夜9時台に発ち、前橋へと向かう特急「スワローあかぎ」「あかぎ」の運転を取りやめ、さらにその先の吾妻線区間でもメスを入れた。

伊香保や四万、川原湯、草津、万座、鹿沢といった温泉街への玄関口が連なる吾妻線には、1960年代から上野と長野原(現・長野原草津口)の間に優等列車が走り出した。1971年、万座・鹿沢口駅の開業と同時に、当時の165系急行「草津」が乗り入れ、157系・183系特急「白根」などとともに行楽輸送などを担ってきた。

JR東は、今春ダイヤ改正から、平日2本・土休日3本ある特急「草津」の長野原草津口~万座・鹿沢口間の運転を取りやめ、「同時間帯に普通列車を運転し、通過となっていた駅(群馬大津・羽根尾・袋倉)での乗車チャンス拡大を図る」という。

駅前で商店を営む女性は「新幹線ができてからは、万座温泉へ行く人は、軽井沢駅からバスに乗るようになった。(「草津」などの)特急で来て、この(万座・鹿沢口)駅からバスで行くよりも、新幹線で軽井沢駅まで来て、そこからバスに乗ったほうが早く着くしね」と話していた。

軽井沢駅と万座温泉・草津温泉を結ぶ西武高原バスは、鬼押ハイウェーを行くときに車窓に映る浅間山東山麓、鬼押出し園、万座ハイウェーでの嬬恋高原、嬬恋牧場などの景色も「売りのひとつ」という。前出の女性は、「万座・鹿沢口駅で特急が接続しなくなると、観光客はほぼ軽井沢駅経由になるかも」とも話していた。

また、給油所の男性スタッフは「マイカーやバスで来る客の割合が上がるかもしれないけど、そんなに期待できない。クルマ持ってる世代で、温泉に来る客っていうと、だいたいが年配の人たちでしょ。地元の人も来る客もみんな高齢化しちゃってる。かといって、バスとか電車で気軽に行ける温泉街に変わるってのは、難しいだろうしね」という。

国鉄時代から走り続ける特急「草津」。その活躍の場が狭まるのと同時に、高崎線や上越線を行く車両も世代交代する。都心と前橋などを結ぶ「あかぎ」系統の車両は、JR化後に登場した651系にすべて統一され、“国鉄最後の特急車両”である185系が、東北・高崎線方面の定期運用から外れる。
《大野雅人》

編集部おすすめのニュース

特集

おすすめの商品

鉄道 アクセスランキング

  1. 東京メトロと東武鉄道、荷物輸送の実証実験…物流3社と共同実施

    東京メトロと東武鉄道、荷物輸送の実証実験…物流3社と共同実施

  2. 西武鉄道、多摩湖線の代行輸送を増強

    西武鉄道、多摩湖線の代行輸送を増強

  3. 神奈川東部方面線、2022年下期の開業に…当初より3年遅れ

    神奈川東部方面線、2022年下期の開業に…当初より3年遅れ

  4. JR北海道、台風の影響で一部運休続く…保線車両も脱線

  5. JR西日本、大津駅のリニューアル10月完了へ…商業施設オープン

  6. 多摩モノレールの利用者数、7億人突破…記念ヘッドマーク掲出

  7. 【SL乗務員OBトーク #3】東北初の寝台特急「はくつる」牽引、C61の行路

  8. 消滅していない? JR東海が東海道線で急行列車を運行

  9. 【SL乗務員OBトーク #2】水がない情けなさ、急勾配のリアル

  10. 【SL乗務員OBトーク #1】弁当が腐らない蒸機、闇添、ゴサンと生きる

アクセスランキングをもっと見る

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら