西武鉄道、安比奈線の車両基地整備計画を廃止…休止から半世紀の「廃線」

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休止から半世紀が経過した安比奈駅付近の線路。ここに車両基地を整備する計画が正式に廃止された。
  • 休止から半世紀が経過した安比奈駅付近の線路。ここに車両基地を整備する計画が正式に廃止された。
  • 休止から半世紀が経過した安比奈線の線路。線路脇の木々の葉に覆われている。

西武鉄道はこのほど、安比奈線(埼玉県川越市)の安比奈駅付近に建設する予定だった車両基地の整備計画を廃止することを決めた。同社の持株会社である西武ホールディングス(西武HD)が2月10日、発表した。

安比奈線は、西武新宿線の南大塚駅と、入間川の河原に設けられた安比奈駅を結ぶ、全長3.2kmの鉄道路線。川砂利を輸送するための貨物線として1925年2月に開業したが、東京オリンピック(1964年)による建設ラッシュが一段落ついた頃に運行を終了した模様で、1967年には正式な休止線となった。現在は線路の一部が撤去されるなどしており、実質的には廃線に近い状態になっている。

1987年には新宿線西武新宿~上石神井間の複々線化計画が浮上。これに伴い必要となる車両数が増加するため、安比奈駅付近に新しい車両基地を建設し、車両基地と南大塚駅を結ぶ回送線として安比奈線を再整備することも計画された。しかし、不況や少子化の影響で計画は事実上中止となっていた。

西武HDの発表によると、整備計画の廃止に伴い減損の兆候が認められたことから、2015年4~12月期に減損損失126億4000万円を特別損失として計上した。

《草町義和》

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