気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年1月27日付
●株、再び1万7000円割れ、400円下落、原油安・円高進む(読売・2面)
●トヨタ労組一時金7.1カ月要求へ(読売・2面)
●フォード欧州勢の壁、日本から年内撤退、販売ピークの五分の一(読売・9面)
●小浜・京都ルート要望、JR西、北陸新幹線延伸で(朝日・3面)
●輸入車「欧高米低」メルセデス首位奪う、アメ車負のイメージ(朝日・10面)
●トヨタ・スズキ提携交渉、インド市場共同開発、安全・環境技術も連携(日経・1面)
●ダイハツを完全子会社に、トヨタ、小型車強化、開発・生産一本化で競争力(日経・3面)
●現代自、3年連続減益、中国販売が不振(日経・9面)
●カーシェア陣取り熱く、三井不系、拠点2倍に(日経・13面)
●サッカー男子五輪決定、最終予選イラク破り決勝進出(日経・37面)
ひとくちコメント
自動車業界で生き残りをかけた再編が一段と加速しそうだ。きょうの日経によると、「トヨタ自動車とスズキが提携交渉に入った」と、1面のトップ記事で報じている。また、トヨタが51.2%出資するダイハツ工業を完全子会社にする方針を固めたことも伝えている。
それによると、トヨタとスズキは「安全・環境技術、低コストの生産ノウハウなど両社の強みを対等の精神で持ち寄り、インドなど新興国での小型車需要の開拓を共同で進める」としている。さらに、「両社は今後、株式の持ち合いも視野に入れるもようだ」とも取り上げている。
スズキは先週の1月21日に新型『イグニス』の発表前に鈴木俊宏社長が単独で新年会見を行った。昨年6月、父親の鈴木修会長から社長のポストを譲り受けて半年が経過したが、その修会長からは「発言には気をつけろ」とアドバイスを受けたという。恐らく、トヨタとの接近も修会長を中心に水面下で粘り強く交渉を行っていたものとみられる。
勿論、その日の会見中はトヨタとの提携について触れることはなかったが、世界的な競争が激しさを増すなか、お家芸のインド事業の拡大や環境技術の強化などになると、まるで奥歯に物が挟まったような慎重な発言を繰り返していたのが印象的だった。
きょうの日経の紙面では主な自動車メーカーの提携関係の図式を掲載しているが、トヨタは、国内では連結子会社のダイハツ、日野自動車のほか、富士重工業といすゞ自動車とは資本提携、マツダとも包括提携を結んでいる。
それに新たにスズキとの提携が実現すれば、二輪のヤマハ発動機を含めると国内メーカー7社を傘下に置くことになる。豊田章男社長が描く日本のモノづくりを守るための「オールジャパン構想」が着々と進んでるようだ。