【メルセデスベンツ Aクラス 試乗】いったいどこが変わったの?と思ったら…中村孝仁

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メルセデスベンツ A180
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残念ながら、メルセデス『A180』の発表会に行けなかった。何でも生パフュームが見れたそうだ。残念! それだけ大々的にやるからにはさぞや大きく変わったと思っていたが、実物を見て少々肩透かしを食らった。

少なくとも外観内装を見る限り、いったいどこが変わったの? という印象である。そこで、一生懸命に変わった場所を探してみた。すると、こまごまと結構違う。

まずグリル。従来はスリーポインテッドスターに伸びる横バーが2本だったが、今回は1本。それも繊細な細いものに変わった。グリル内のメッシュも変わっている。ヘッドライトはLEDが採用されているのでこれも明らかに違う。そしてバンパーの形状も変わった。因みにフロントフェイスのデザインは、180系と250系、さらにAMG系ですべて異なっている。サイドビューは基本同じ。リアに回るとA180では従来2本出しだったエクゾーストパイプが消えて、下方に1本延びているだけ。後はコンビランプのデザインが微妙に異なる程度で大きな変化はない。こちらもグレードによってそのデザインは異なっている。

インテリアもほぼ一緒。少なくともこれは違うな、という部分はほとんどない。敢えて探すと、ステアリングスイッチのデザインや、センターコンソールにつく各種セレクトボタンの(特に中央部)が異なっている。いずれにせよ、違いを探すのに苦労するほどの変化でしかない。

だが、走りの方は大いに変わっていた。特筆すべきは乗り心地の向上だと思う。従来のAクラスは、とりわけリアから侵入する突き上げ感が気になったのだが、こいつはほとんど感じられない。勿論旧型と全く同じ道路を走ったわけではないのだが、総じて落ち着き感が高くなり、不意を打たれるようなガツンとくる入力は一切なかった。そして全体的に非常にしなやかな印象に変化した。

運動性能に関してはエンジンの性能が同じだということで、絶対的なパフォーマンスの違いはないのだが、ステアリングはクイックになった印象がある。ロックトゥロックの回転数を減少させたダイレクトステアリングは「A180スポーツ」にしかつかないのだが、サスペンションの見直しは乗り心地の違いからも明らかなように間違いなく行われており、それがステアリングの反応にも好結果をもたらしているのではないかと思えた。

122ps、200Nmというパフォーマンスはライバル車と比較した時かなり見劣りし、特に値段比較をすると、『ゴルフ』やボルボと比べてかなり控え目なパフォーマンスと言えるのだが、それらと直接比較しない限り、それほどアンダーパワーだという感覚はない。

一番の変化と言えるのが、エコ、コンフォート、スポーツのモード切り替えが出来るダイナミックセレクトに、新たにインディビデュアルというモードが加わったことだ。インディビデュアルをチョイスすれば、ステアリングはコンフォートでエンジンマッピングをスポーツに…なんてことも可能になる。7速のDCTもエコとスポーツでは使用するエンジンの回転域がまるで異なり、エコではかなり早いシフトアップが行われる。つまりインディビデュアルが存在することで、かなり自分の好みに合った走らせ方が可能になったということが出来る。

ただ、問題がないわけでもない。それがDCTのチョイス。通常、シフトレバーが普通についているクルマなら、Dレンジから横に倒す、あるいはさらに下に下げることでマニュアルモードのギアを選ぶことが出来、パドルシフトでのドライビングが楽しめる。ところがメルセデスのセレクターはご存知の通り、ステアリングコラム右側の小さなレバーによって操作するが、選べるのは上にあげてリバース、下に下げてドライブ、そしてレバーを押してパーキングという3つのセレクトしかできない。

いきなりパドルを押すと確かにダウンシフト、アップシフトは可能だが、ものの数秒するとDレンジに戻ってしまう。ではどこでマニュアルモードを選べるかというと、これが例のダイナミックセレクトのインディビデュアルで行えるのだ。短時間の試乗だったのでそこしか探すことが出来なかったが、もしかしたら他にもあるのかもしれないが、マニュアルを選ぶのにわざわざ深い階層にまで入り込まなくてはならないのは不便この上ない。もっとわかり易いところにマニュアルモードを選べる機能がついていればと、1時間の試乗では思った次第である。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★
パワーソース ★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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