気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年1月6日付
●ネット接続車トヨタ拡大、来年以降、米の新型車で,地図を自動更新、素早く事故情報を(読売・11面)
●新車販売昨年9%減(読売・11面)
●VW、訴訟が重荷に、排ガス不正、米司法省が提訴(朝日・7面)
●賃上げ発言相次ぐ、中小波及は不透明、新年祝賀会、日銀総裁連合に奮起促す(毎日・1面)
●毎日経済人賞、SUV強化で収益大幅増、富士重工業・吉永泰之社長(毎日・7面)
●18切符、北海道新幹線も容認(毎日・27面)
●直球緩球、技術革新生む国内生産、日本自動車工業会・池史彦会長(産経・10面)
●中日本高速、控訴せず 笹子トンネル事故(産経・27面)
●中国系メーカーEV試作(東京 ・7面)
●トヨタ、中国新車販売2.4%減、12月(日経・11面)
●日産の車載情報システムマイクロソフトクラウドを採用(日経・11面)
ひとくちコメント
新年早々、都内のホテルを“はしご”した政治家や企業の経営者たちも多かったことだろう。経団連など経済3団体や鉄鋼連盟、日本自動車工業会など各業界団体の新年祝賀会が都内のホテルで開かれたからで、会場のホテル前の道路は終日、黒塗りのハイヤーなどで大渋滞していた。
きょうの各紙は、会場内で経営トップらを直撃し、新年の抱負や経営目標などのコメントを取り上げている。中でも、毎日は1面トップで「賃上げ発言相次ぐ」という大見出しで、安倍政権が求める「賃上げに前向きな大企業トップの発言が相次いだ」と報じている。
朝日も経済面のトップで「賃上げ大手前向き」と同様の記事。産経は「賃上げに追い風」と黒田日銀総裁が連合でのあいさつを掲載している。
ただ、読売は「賃上げには温度差」として、「経済成長のカギを握る賃上げや設備投資については、業種や企業により温度差も目立った」。東京も「『賃上げ』企業は慎重」として「大企業が相次いで賃上げに踏み切った昨年の春闘のような展開は見通せない」と伝えている。
各紙の経済面では自動車業界など一部の経営トップの発言も一覧表にして取り上げている。それによると、日経は、日産自動車の志賀俊之副会長が賃上げについて「産業界全体でベアを実施する状況ではない」とコメント。
三菱自動車の相川哲郎社長は景況感について「曇りのち晴れかも知れないが、なかなか材料がない。消費再増税前の駆け込み需要も(反動減を考えると)あまりありがたくない」と慎重な姿勢を示している。
トヨタ自動車の豊田章男社長は、朝日で今年の景気については「リスク要因があり、先行きは読めない」。賃上げについては「労使でしっかり話し合えることを期待する」としている。
豊田社長は毎日や東京にも登場。「未来に意志や笑顔を手渡す思いを込めて」今年のキーワードを「たすき」としている。「アベノミックスで経済が好循環を始めたのは間違いない。持続的成長につなげられるか、今年は正念場だ」とみているからだ。
その豊田社長は今年が還暦の「年男」。会場では「赤パンツ」をはいて、和服姿の本人の似顔絵と干支の猿がクルマに乗っている可愛いイラスト入りの新しいデザインの名刺を手渡していた。