【メルセデスベンツ S300h 試乗】メルセデスの本気を感じるディーゼルハイブリッド…諸星陽一

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メルセデスベンツ S300h
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メルセデスベンツの最上級セダン、『Sクラス』に新たに「S300h」の名を持つハイブリッドモデルが追加された。なんとディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドがこのS300hだ。

街の人に「燃費のいいクルマはどんなメカニズムでしょう?」とたずねればおそらく一番多い解答は「ハイブリッド」となるだろう。「じゃあ、2番目は?」と言ったときの解答は「ディーゼル」となるだろう。かつて、環境破壊の権化として扱われたディーゼルだが、今は十分にその価値が認知されている。そのディーゼルエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用するのがメルセデス・ベンツS300hだ。

搭載されるエンジンは2.1リットルの直4ディーゼルターボで204馬力/51.0kgmのスペック。モーターは最高出力こそ27馬力と低めだが、トルクは25.5kgmと2.5~3リットルの自然吸気エンジンなみのスペックを持つ。組み合わされるミッションは7速のAT。

Sクラスというベンツ最上級のセダンにディーゼルエンジンを積むという発想は日本人にはあまりないだろうが、欧州的な発想としては何の不思議もない。欧州ではディーゼルエンジンに対するアレルギーはほとんどないからだ。実際、クルマに乗り込んで走らせて見るとディーゼルエンジンの嫌な部分である振動や騒音は感じない。発進は基本EV走行となるので騒音振動面では有利、そしてその後エンジンが始動する。

停止状態からエンジンが始動してしまうとエンジンの騒音や振動が目立つが、少しでも動いていればタイヤノイズなどがエンジンの騒音や振動をマスキングしてくれる。また、エンジンは負荷がかかればそのタイミングで振動や騒音が発生しやすいということもある。発進をモーターのみで行うというのはじつに理にかなったプログラムなのだ。

そしてこの先のモーターとエンジンの共演がすばらしい。いつエンジンが始動し、いつエンジンが停止したのかがほとんどわからないプログラム。加えてATの統合制御も上手で加速はじつにつながりがいい。アクセルを踏み込むとスッと前に出ていき、そのまま加速していく。エンジン、モーター、ミッションの3つを上手にコントロールしないとできないわざだ。

サスペションにはエアサスを採用するが、けっしてヤワなものではない。しっかりとダンピングしつつ路面をつかむ。車重が2tを超えるのだから油圧ダンパーに頼るよりエアサスのほうがセダンとしていいフィーリングを出せて当然と感じる。乗り心地は快適だが、ランフラットタイヤ特有のコツコツした感触を受けるのが少し気になる。コーナリング性能に関しても十分な安定性を感じる。

駐車場で細かくクルマを動かしたときに感じたのは小回りのよさ。最小回転半径は5.2mとクラスを考えればかなり小さい。国産5ナンバーミニバンでも5.5mあたりなのでこの小回り性能の高さはかなり高いと評価できる。

価格は998万円とSクラスということを考えればかなりリーズナブル。しかし絶対値で考えればけっしてリーズナブルと言えるレベルではない。自動車税は75%軽減、自動車取得税と自動車重量税は免税となる。価格が高く重いクルマだけに取得税と重量税の免税はうれしいことだが、高額車の税金が優遇される事態には疑問を抱かずにはいられない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
《諸星陽一》

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