【新聞ウォッチ】止まないタカタ製欠陥エアバッグ問題、米技術者「粉飾」を内部告発

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年11月26日付

●製造・サービス輸出拡大,TPP大綱決定(読売・1面)

●スポーツ型のレクサス発売「GS F」(読売・10面)

●道路の状態タイヤで見分ける、ブリヂストンセンサー実用化(朝日・11面)

●トヨタ、161万台再リコール、タカタ製エアバッグ作動停止へ(朝日・38面)

●米技術者が内部告発、タカタ社内文書に記録(東京・7面)

●時価総額100億ドル企業、3社に1社アジア勢(日経・1面)

●燃費新税、骨格は取得税、普通車、3%上限、車業界と自治体対立年内決着波乱含み(日経・5面)

●VW、リコール計画認可、独当局からEU域内も同じ対応に(日経・7面)

●世界の車大手上期決算、トヨタ、質・量とも首位(日経・13面)

ひとくちコメント

今年もあと1か月余りとなったが、昨年秋から続いているタカタ製の欠陥エアバッグ問題をめぐる報道が一向に止まない。トヨタ自動車が『ヴィッツ』など22車種計161万2670台の再リコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

きょうの各紙が社会面などで取り上げているが、静岡県伊東市で10月、日産車でタカタ製の助手席用エアバッグが異常破裂し、女性が負傷した事故を受けた対応措置。

つまり、トヨタではすでに異常破裂の恐れがあるとして今回の対象車をリコールしていたが、交換部品が不足したため、インフレーター(ガス発生装置)に気密不良がない場合は修理を後回しにしていたという。

ところが、日産も同様の対応をしていたが、気密不良が認められず修理が済んでいなかった車両で10月に異常破裂が発生し、負傷したことを重く受け止めたもので、トヨタは全車両のインフレーターの新品への交換を実施する。ただ、部品が不足した場合はエアバッグの作動を一時的に止めるようにするという。

一方で、タカタの米国法人の従業員らが、エアバッグの主要部品のガス発生装置について虚偽データをホンダなどの顧客に報告していたことを問題視し、2000年以降、10年間に及んでたびたび内部告発していたそうだ。

米紙ウォールストリート・ジャーナルの(電子版)がタカタの内部文書に基づいて報じたもので、共同通信の配信記事を産経や東京などが取り上げている。

それによると、05年1月には、タカタがガス発生装置の試験について好ましくない結果を除去し、データを改ざんしていると、米国法人の技術者が社内で告発。内部文書には、データの「粉飾」について「日本での商売のやり方だ」と説明した社内関係者の発言も記録されているという。

タカタ製エアバッグのリコールは、すでに国内でも970万台を超えているが、改修率は50%にも満たないという。この場に及んでデータ改ざん問題が表面化するなど欠陥エアバッグをめぐる報道は新しい年を迎えてもしばらく止みそうにもない。

《福田俊之》

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