【トヨタ プリウス プロトタイプ 試乗】乗り心地と操安性のバランスを見事に高めた…青山尚暉

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新型『プリウス』のプロトタイプに富士スピードウェイの構内路、およびショートサーキットで短時間ながら試乗することができた。

新型プリウスはTNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)による徹底した低重心パッケージの採用が目玉。

始めに言ってしまえば、その効果は走りに顕著に表れ、先代の不満点だった乗り心地、穏やかすぎる操縦性ともに改善され、大きく進化していたのだ。

ここで試乗したFFの15インチタイヤ装着車は、極論すればプリウス史上もっともしっとりした乗り心地を実現しているようだ。路面にうねりがあってもサスペンションはよく動き、追従し、段差もスッとしなやかにいなしてくれるのだから。今回は先代モデルと乗り比べる機会もあり、歴然とした違いを確認できたのである。

動力性能的にはエンジン95ps、14.5kg-m、モーター出力72ps、16.6kg-m、システム出力122psというスペックを見ても分かるように、今回はガソリン車最上の40km/リットルを目指すべく、先代に対してあえてスペックダウン。しかし一般道、坂道の両方で新型、旧型を乗り比べると、実は新型は同等以上のパワー、速さを発揮してくれたのだからホッとさせられる。

ところで、新型のドライブモードセレクトはエコ、ノーマル、パワーをひとつのスイッチで行うようになった。そこで気になったのが、例えばノーマルからエコに切り替えようとすると、スイッチをパワーモード経由で2回押さなければならない点(ノーマル→パワー→エコ)だ。先代はエコ、パワースイッチが独立してあり、ノーマルからエコに切り替えるには、エコのスイッチを押すだけで済んだのである。

そうそう、バッテリーを冷却するための空気吸い込み口は後席左右側面にあるのだが、バッテリー温度を著しく上げるような走りをした直後、ファンの音はけっこう盛大。強風の日に窓が開いているかのようで、何度もパワーウインドーのスイッチを操作してしまった。ファン自体は小型化されているそうだが、作動音は先代より大きく感じられたのも本当だ(あくまでプロトタイプの印象)。

ショートサーキットでは新型の低重心パッケージが生きた走りやすさ、絶大なる安定感の高さを確認。同サイズのタイヤを履く先代に乗り換え、同じペースで走ると「こんなにふわふわするのか!」と、がくぜんとさせられたぐらいである。パワーというよりフットワーク性能の違いによって、先行する新型についていくことが難しかった。

先代までのユーザーが新型に試乗したならば目からうろこ、驚きを隠せない…それぐらい先代に対して飛び抜けた乗り心地、操安性、完成度を披露してくれるのが新型である。今回はプロトタイプの試乗だったが、新設定されたE-Fourモデルを含む生産車を公道で走らせる日が、わくわくするほど楽しみである。

合わせて、新型プリウスにはトヨタ最新かつ上級のミリ波レーダーと単眼カメラを用いた、歩行者も検知する「トヨタセーフティセンスP」が用意されているのもニュースである。

ちなみに新型プリウスのペットフレンドリー度はどうか。先代同様、ハッチバック側から犬を自身で乗り降りさせることは、ラゲッジフロア開口地上高が先代より10mm低まっても依然、680mmの高さがあり、さらに先代にない約110mmの開口部段差ができてしまったため(HVバッテリーの後席下への移動などでラゲッジフロアは110mm下がった)難しい。

が、新型も後席シート座面はごく低く、後席の乗降性は文句なし。6:4分割の後席片側を倒すことで、後席からラゲッジに歩いていくことも可能だ(ラゲッジと後席格納部分に約110mmの段差はあるが)。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
《青山尚暉》

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