スポーツバイクで沖縄の大正時代へ…県営鉄道与那原線や地元メシをポタリング[フォトレポート]

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現在の復元版・与那原駅舎
  • 現在の復元版・与那原駅舎
  • 勾配やカーブ、下校する学生たちの表情までを、全身で感じながらペダルを踏む
  • 駅舎正面玄関は、かつての与那原港へ向いている
  • 沖縄県営鉄道(ケイビン)、与那原線、糸満線、嘉手納線の路線イメージ
  • 2012年当時の与那原駅舎跡。農協(JAおきなわ与那原支店)の建物として使われていた
  • 2012年当時の与那原駅舎跡。農協(JAおきなわ与那原支店)の建物として使われていた
  • 2代目与那原駅のコンクリート柱がいまも9本、残されている
  • メルキュールホテル沖縄那覇は、スポーツサイクル専門店「Y's Road」とコラボし、「サイクリストルーム」(11部屋限定)も設置
沖縄都市モノレール(ゆいレール)壺川駅から東へ9km、かつて港町として栄えた与那原町に、大正時代の鉄道駅舎を復元した「軽便与那原駅舎」がある。11月中旬、戦争で破壊されるまで存在した、沖縄県営鉄道与那原線をたどり、スポーツバイクを走らせてみた(写真40枚)。

大正時代、沖縄県営鉄道(ケイビン)は、那覇から東・南・北へと、おもに3つの路線を運営していた。与那原線(9.4km)、糸満線(15km)、嘉手納線(22.4km)だ。1914(大正3)年に開業した与那原(よなばる)線は、沖縄本島北部・山原(やんばる)方面からの船荷や地元の人たちを運ぶ、流通の大動脈だった。地元のおじいちゃんが「山原船から薪とか材木とか芋が陸揚げされて、汽車で那覇へ運んだよ。向こうからは油や酒が運ばれた」と教えてくれた。

戦争で打撃を受けた与那原駅舎は、当時珍しいコンクリート造だったため、その骨格を残したことから、消防署、町役場、農協と姿を変え、最近まで町民に親しまれてきた。そこへ2013年、農協の移転計画が決まり、県営鉄道開通100年にあわせるかたちで駅舎が復元された。

駅舎内の展示資料館で、与那原線、糸満線、国鉄線標準軌のレールの大きさがそれぞれ違うことを知り、破壊されたころの駅舎の写真といまの復元モデルを見比べ、那覇へと戻る。与那原線のレールは、現在の国道331号、507号のちかくに敷かれていた。

途中、自転車を止めて、「地元の人がよく行く」という店のソーキそばやラフテーといったタンパク質にありつきつつ、バス専用信号や中央線移動レーンなど、ドライバーといっしょに注意しながら再びペダルを踏む。レンタカーと違い、駐車場を探す手間がいらないのも自転車のいいところ。

南風原(はえばる)町を越え、左手から国場川が近づいてくると、真玉橋(まんだんばし)。橋のたもとにある「戦前の真玉橋遺構」といわれる石橋の前に立ち、与那原線の真玉橋駅を発着する列車を想像する。かつての那覇行きの汽車は、真玉橋駅を過ぎると、古波蔵駅に止まって終点の那覇駅へと滑り込んだはずだ。

国道のゆるやかな勾配が連続する区間では、当時の小さな蒸気機関車の吐くけむりや、操る運転士の苦労も感じられるかも。

壺川駅で自転車を降りると、「おかえりなさい」とホテルのフロントスタッフ。この“廃線跡ポタリング”は、メルキュールホテル沖縄那覇、沖縄輪業、スポーツサイクル専門店「Y's Road」、ロードバイク宅配便「シクロエクスプレス」などがタッグを組んだ、サイクリスト向け新サービスの報道公開にあわせてトライしたもの。

同ホテルからレンタサイクル(Giant SEEK R3)を連れ出し、ゆいレールの延伸区間や“地元メシ”などを楽しみながら与那原線をたどるポタリングは、およそ4時間。日照時間の長い夏などは、嘉手納線や糸満線をいっぺんにたどってもいい。

そして、軽便与那原駅舎展示資料館には「一日も早くケイビンをLRTという新しい路面電車で復活させましょう」というメッセージがあった。与那原線をなぞるように走る次世代路面電車の姿に、いつ出会えるだろうか。
《大野雅人》

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