海上保安庁は、船舶交通の安全確保を図るための取り組みとして船舶自動識別装置(AIS)を活用して航海用レーダ画面上にシンボルマークを仮想表示させる「バーチャルAIS航路標識」の運用を11月1日から開始すると発表した。
AISは、針路、速力などの船舶の動静に関する情報に加え、航行船舶の指標とるシンボルマークを表示させる機能があり、実際には存在しない航路標識を海用レーダの画面上に表示できる。
国際的には2004年海事機関(IMO)で航海用レーダの性能基準が改正され、航海用レーダの画面上にAISのシンボルマークを表示させることが義務付けられ、さらに2014年には、新しいシンボルマークが承認された。
水深が非常に深いなど、航路標識の設置が困難な海域で、海上交通安全法第25条第2項に規定する経路指定が行われている明石海峡と友ヶ島水道でバーチャルAIS航路標識の実証実験を行った結果、有効性が確認できたことから、正式に運用を開始する。