スバル WRX STI S207 発表、13年ぶりに最高出力向上…贅肉落とし、ドライバビリティ進化

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スバル WRX STI S207 NBR CHALLENGE PACKAGE
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  • STI パワーユニット技術部 パワーユニット設計課 森田順一 主事
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スバルテクニカインターナショナル(STI)は10月28日、スバル『WRX STI』をベースにした特別仕様車『S207』を400台限定で発売する。

S207はWRX STIをベースに、エンジンや足回りを専用設計し、外装・内装にも専用装備を追加したSTIコンプリートカー。STIが理想とする「運転が上手くなるクルマ」を徹底的に追及。ニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦で培った多くのノウハウを活かし、運動性能を磨き上げたとしている。

「とは言っても、レース仕様のクルマと部品を共有したりということはありません」と話すのは、STIのパワーユニット技術部パワーユニット設計課の森田順一主事。「しかし、どうしても市販車の開発だけをしている人間からは出てこないアイディアが出てきますので、そういった性能を高めるノウハウは今回のS207の開発にも活かされています」。

S207ではエンジンの最高出力が『S206』までの320psから328psに高められている。出力が向上するのは2002年の『S202』以来、実に13年ぶりだ。

「13年間、出力を上げることが出来なかったのではなく、しませんでした」と言う森田氏。「STIの方針としては数値的なものよりもフィーリング。乗っていただく方に、運転して楽しい、運転が上手くなったと感じる、と思っていただくことが第一です」。

しかしながら、商品開発部からは以前から出力を上げて欲しいという要望が上がってきていたことも明かす。「『S204』の開発の頃から、そういった声はありました。しかし当時の技術では出力を上げる分、低速域のトルクが薄くなるなどの弊害があったのです。ドライバビリティを犠牲にしてまで出力を上げるわけにはいきませんでした。それでは本末転倒です」と、STIとしてのあり方を強調する。

今回高出力化が実現したのは、富士重工業との共同開発が大きいという。「技術本部と共同開発できたことで、高出力、高トルク化を実現しました」と明かし、今までも共同開発を行っていたことも交えつつ、「ここまで本格的に共同開発できたのは初めてです」と述べた。結果的には、出力を上げることで高回転域での伸びが増し、ドライバビリティの向上にもつながったという。

高出力化の方法として「贅肉を落とすような感じ」と表現する森田氏。具体的には、400台限定とすることで、部品の個々のばらつきを抑えて、細かい部分を詰めることが可能になったという。「おかげで400台どれに乗っても違いはまったくありません」と断言する。

「高出力化、と聞くと、アクセルを踏むとドッカーンと行ってしまうのではないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。街中も高速走行も楽にこなせますので、是非乗ってみていただきたいです」と、その出来に自信を見せた。

《関 航介》

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