気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年10月26日付
●東芝旧経営陣を提訴へ、賠償請求来月に最終判断(読売・1面)
●介護ロボ開発仲介拠点来年度全国に10か所、現場の声企業くみ取り(読売・2面)
●羽田―中国が増便、1日20往復、訪日客を後押し(読売・6面)
●就活来年の選考前倒し、経団連方針、6月前後に解禁(読売・1面)
●EV無線充電実用化へ省令総務省12月めど施行(産経・2面)
●ANA営業益最高、5割増、訪日客がけん引、4~9月(日経・1面)
●社説、自動車が向き合う21世紀の課題(日経・2面)
●TPP効果どれほど? 政府試算3.2兆円、10兆円規模の声も(毎日・3面)
ひとくちコメント
「二度あることは三度ある」とはいうものの、こうコロコロ就職活動のルールを変更しては、学生も企業の人事担当者もたまったものではないだろう。
経団連が現在の大学3年生で2017年春入社の大学生らを対象にした16年の採用活動について、面接などの選考活動の解禁時期を現行より2カ月前倒しして、6月にする案を軸に検討しているという。
きょうの朝日が1面トップで報じたほか、各紙も「就活来年の選考前倒し」を1面などで大きく取り上げている。それによると、今年から従来より4カ月遅い8月に変更したが、「就職活動が結局長期化し、学業に支障が出た」などの批判が噴出し、前倒しの検討に着手していた。
大企業を中心とする経団連の会員企業向けの指針を11月9日にも見直す方針だが、「わずか1年で方針転換する」(朝日)ことで、2年連続の場当たり的な変更となり、批判は免れないだろう。
そもそも選考の後ろ倒しは、安倍政権が「学生を学業に専念させる」として経団連に見直しを求めたのがきっかけ。ルール変更は、就活の負担を減らし、学業に専念する時間を増増やそうという狙いがあった。
しかし、選考期間は大幅に短縮されたにもかかわらず、学生、企業の双方から「就活が長期化した」との矛盾も発覚。「一部企業が抜け駆けして解禁前に面接を行い、就職活動が長期化した」などの弊害を指摘する声も出ていたという。
安倍政権は、この就職活動のルール変更に限らず、賃上げ要請や携帯電話料金の引き下げまで、越権とも思えるような“領海侵犯”が目立つ。それを鵜呑みにする企業側も情けないが、首相から唐突に指示を受けてかえって現場が混乱することも少なくない。