気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年10月21日付
●TPP輸出品関税ほぼ全廃、日本輸入は95%撤廃(読売・1面)
●旭化成社長が謝罪、調査3000棟概要あす報告(読売 ・1面)
●大型観光バス販売好調、訪日客増加や東京五輪効果(読売・9面)
●EV販売の1割目標、日産、国内で20年までに(朝日・8面)
●車の相乗りまず過疎地、政府方針都市部根強い懸念(朝日・9面)
●米でレクサス初の生産開始(毎日・7面)
●「バック・トゥ・ザ・フューチャー」予言的中?2015年10月21日午後4時29分(産経・3面)
●ホンダ、20年に自動運転国内大手3社、世界で先行目指す(日経・1面)
ひとくちコメント
一般のドライバーがマイカー(自家用車)などにお金をもらって客を乗せて運ぶいわゆる「白タク」を安倍首相が解禁する意向を表明したという。
国家戦略特区諮問会議で過疎地などでの交通手段として、限定的に「ライドシェア(相乗り)」を認める規制緩和を検討するよう指示したもので、10月20日付の日経朝刊が報じたほか、きょうの読売や朝日なども取り上げている。
それによると、ライドシェアは、バスやタクシーといった公共交通網が十分でない地方で、交通弱者の高齢者や観光客の移動手段として期待されるが、「白タク」行為は道路運送法で禁止されている。
特区諮問会議では、関係省庁の意見を踏まえ、法改正が必要な場合は来年の通常国会で関連法案の提出を目指す方針のようだ。
白タクといえば、バブル時代に深夜、タクシーがなかなか見つからない時に銀座や赤坂などの都市部の繁華街などで多く見掛けた。だが、違法行為と知りながら利用した人の中には交通事故や運転手のマナーの悪さなどでトラブルも発生し、泣き寝入りした人も多くいたことを思い出す。
今回の解禁は公共交通が不便な過疎地域とされているが、果たしてマイカーを使って、客を安全に運べるようなベテランのドライバーが存在するのかも疑問である。しかも、マイカーを大切にする人は、車内の匂いも気になり、見ず知らずの人を乗せることすら嫌がる人も少なくない。
朝日は「安全面課題、タクシーに影響も」との見出しで、タクシー会社が仲介会社に「衣替え」してしまう心配もあると指摘する。安倍首相お墨付きの「白タク」が今後見切り発車するのがどうかも注目したい。