シュツットガルト郊外のレニンゲンに設立したボッシュの新研究センターの開所式において、同社のフォルクマル・デナー取締役会長はVWの不正ソフトウェアに関する質疑に応じた。
ボッシュは、試験時のみ排ガス浄化性能が動作する不正ソフトウェア(ディフィート・デバイス)が仕込まれたVWにディーゼルエンジンのパーツの一部を供給していたが、不正に対しての関与は否定している。また、VW側が使用していたディフィート・デバイスの違法性を警告していたとされる。
デナー会長は、「真相解明が終わっていないため、現時点ではコメントできない」と直接的な回答は避けたものの、「(今回のVW問題で)ディーゼル部門の売上に大きな影響があるとは考えられない」と業績への影響は限定的との認識を示した。
その一方で、「今回の事件によって消費者のディーゼルに対して悪化した印象を回復しなければいけない」とも述べ、業界を挙げての信頼回復に取り組む必要性についても言及。現状の排出ガス規制については「現実的なゴールと認識している」と語り、規制のクリアは困難ではないとの考えを示した。