日産自動車のカルロス・ゴーンCEOは10月2日に横浜市にある本社で行われたビジネススクールに登壇し、フォルクスワーゲン(VW)の不正問題で業界への不信が広がっていることに関して「評価テストが信頼できるかどうか疑問がついている」との認識を示した。
ゴーンCEOは「車両を評価する際には、どのような技術が対象であれ、どこの国でも、あるスタンダードに基づいて行われる。その基準は政府が決めているが、それは実走行とは異なる。なぜなら運転パターンは個人によって異なるからだ。加速も違うし、窓を開けたり、エアコンを着けたりもする。燃費にばらつきがでてくるのは当たり前」と指摘。
その上で「カタログ燃費が実走行時の燃費だと消費者が混同している部分がある。燃費基準が消費者の実走行と異なるということがわかっていない。それには自動車業界と行政がしっかりと対応して信頼を回復しなければならないし、行政にはもっと実走行時に合わせたテスト基準にしてほしい」と述べた。
一方、VWの不正問題そのものについては「個社の問題なので、私が具体的な話をすることはない」と言及をさけた。