9月9日、米国ラスベガスで鮮烈なデビューを飾った新型『プリウス』。欧州ではフランクフルトモーターショー2015がそのデビューの場となった。会場は多くのメディアで埋め尽くされ、中央席は1時間以上も前から陣取らないと確保できないほど。その関心度の高さは欧州でも同じらしい。
プレスカンファレンスに登場した新型プリウスは、ラスベガスでも紹介された「ハイパーソニックレッド」に身を纏って登場した。このカラーは新型プリウスのメインカラーとなる模様で、これまで“エコ”を意識したグリーンやブルーといったカラーとは一線を画する採用となった。
新型プリウスはパワートレーンとプラットフォームを一新。トヨタが独自に打ち出す「TNGA(Toyota New Global Architecture)」に基づいて開発された第一号となる。これはシャシーやボディなどの共有化率を高めて効率をアップすることで、クルマ作りそのものの概念も変えていこうとするトヨタ流の考え方だ。トヨタは今後全車種にこのコンセプトを反映させていく。
前モデルでは、排気量のアップがもたらす「走る楽しさ」をメインに訴求していたが、新型ではハイブリッドシステムの軽量・コンパクト化やボディの高剛性化と低重心化を図ることで洗練された走りが加わったという。
新型プリウスは回転台の上にシートが駆けられた状態にあったが、ショーがスタートすると同時にステージ上までもう一台の新型プリウスが自走で登場。最近のモーターショーでよく見られる場内を実際に走るという趣向を採用した。
登場した新型プリウスはよく見るとリアシートのヘッドレスト形状が米国仕様と異なる。米国仕様は前席用と同じ大型ヘッドレストが作用されるが、フランクフルトで登場したのは後方視界を確保しやすい小型のもの。日本ではこのヘッドレストが採用される可能性が高い。
40km/リットルを超える燃費が噂される新型プリウスだが、具体的なスペックは東京モーターショーで披露されるということだ。ただ、熱効率を40%も上げたエンジンや駆動系や電池に至るまで軽量コンパクトを推進しており、これが大幅な燃費向上に繋がるのは間違いない。
プレスカンファレンスでは、新型プリウスと同じプラットフォームを採用すると噂されるコンパクトクロスオーバーの『C-HR コンセプト』も発表。2014年のパリモーターショーで公開されたコンセプトカーとは違って5ドア仕様となっていた。仕上がりもより市販に近い状態となり、発売される日が刻一刻と近づいていることを感じさせた。