【スズキ ソリオ試乗】日本のインフラにベストマッチするサイズ感…諸星陽一

試乗記 国産車
スズキ ソリオ
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『ワゴンRワイド』にルーツを持つ『ソリオ』、日本に求められるクルマは何か? を突き詰めたクルマがそこにあった。

例えば、軽自動車に課せられているさまざまな規制を取り払ったらどんなクルマができあがるか? その答えがソリオにはあるように感じる。軽自動車を作っているときに、あと少し横幅が欲しい…あと少し全長が欲しい…あと少し排気量が欲しい…そんな願いをプラスしたのがソリオという印象。

ソリオは全長3710×全幅1625×全高1745mmというボディサイズ。軽自動車よりも310mm長く、145mm幅広だ。現在、日本では多くのクルマが5ナンバーサイズを超え、3ナンバーとなっているが、ソリオはこの5ナンバーサイズ枠を使い切らない寸法で必要にして十分な室内空間を確保している。スズキがこのパッケージングができるのは、多くの軽自動車で積み上げてきたノウハウがあるからにほかならない。

余裕を感じるのは運転席だけではない。後席の余裕感もたっぷりだ。今回のソリオは全長は先代のままだが、ホイールベースを30mm伸ばしている。それに伴い、前後シートピッチは55mm伸ばされた。リヤシートは2分割で前後165mmというスライド機構も与えられた。4人で乗るには十分な乗車スペースを確保。また、後席を前方にスライドさせれば、荷物もかなりの量を搭載することができる。

搭載されるエンジンはK12Cと呼ばれる1.2リットルの4気筒。最高出力は91馬力、最大トルクは12.0kgmとK12B型と同様だが、圧縮比は向上されサイズを小型化している。なお、試乗グレードはハイブリッド。ソリオのハイブリッドは軽自動車で採用しているSエネチャージのISG(モーター機能付き発電機)の出力を高めてマイルドハイブリッドとしている。

パワーフィールは1.2リットルモデルとしては十分。加速時にはマイルドハイブリッドとしてモーターアシストが入るので、しっかりと力強く加速していく印象がある。軽自動車で採用しているSエネチャージは、アシストするのが一瞬ということが多いが、こちらはマイルドハイブリッドを標榜するだけあり、アシスト時間が長くなっている。

ハイトワゴンスタイルのクルマだけに、それなりのロールを伴ったコーナリングとなるが、安定感は損なわれていない。乗り心地もゆったりとしていて、長距離を走ることも躊躇なく行えそう。そしてなによりも、住宅街などの狭いところでの扱いやすさは抜群。日本のインフラにはジャストマッチする。

こうした走りの性能を支えているひとつの要因に徹底した軽量化が上げられる。ソリオはパワーユニットとボディ関係で約30kgずつ、足まわりと内装部品でそれぞれ約20kgで約100kgの軽量化を実現している。マイルドハイブリッドという方式を採ったことで、重量増も少ない。結果、全車で車両重量は1トンを切り、重量税を抑える事にも成功している。

パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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