気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年9月1日付
●東芝決算を再延期、7日期限、不適切会計新たに10件(読売・1面)
●株1万9000円割れ、上海下落、NY一時200ドル安(読売・2面)
●スズキ、VW株売却へ(読売・9面)
●国産ジェット旅客機「MRJ」10月後半に試験飛行(朝日・9面)
●チャイルドシート、最多12万台リコール、コンビ、ベルト外れる恐れ(産経・26面)
●GM,逆風下の新興国投資、ブラジルやインドに6000億円(日経・6面)
●リチウムを安定調達、テスラ、英社と5年契約、メキシコ産(日経・6面)
●タイで渋滞解消試験、トヨタ、郊外の駅に駐車場(日経・9面)
●スズキ株反落、1%安、VWと提携解消(日経・11面)
●パイオニアが計測機器、自動運転分野に参入(日経・15面)
●新製品バトル、3列シート車(日経・31面)
ひとくちコメント
サッカーならば、イエローカード2枚は即刻退場である。東芝が不正な会計処理が発覚したことで3か月以上も引き伸ばしていた2015年3月期決算の発表を再び延期するという。
理由は、新たに会計処理に約10件の不適切な事例が見つかり、決算の確定に時間がかかったためだそうだ。東芝が決算発表を延期するのは2度目で、大手上場企業としては「極めて異例」のことである。
きょうの各紙も「東芝の決算発表再延期」を毎日が1面トップで報じるなど、大きく取り上げている。それによると、新たな不適切会計を含め、決算の確定作業は8月27日に終わったものの、監査法人による承認を得るのに1週間程度かかるため、予定していた31日の期限に間に合わなかったという。
東芝の室町正志会長兼社長は記者会見で「決算の公表を再延長せざるをえない事態となり深くおわび申し上げます」と陳謝したが、度重なる信頼を裏切る行為は許されるものではなく、その責任は限りなく重い。
「修正見通し甘さ露呈」(毎日)、「つまずく再出発」(朝日)、「再生へ暗雲」(読売)、「生み出し切れず、遠のく信頼回復」(産経)などと、タイトルを並べただけでもかつての日本を代表する名門企業とは思えないほど地に落ちた悲惨な状況が浮き彫りにされている。
再延期の決算発表は9月7日まで「最大限努力する」(室町社長)そうだが、きょうから2学期が始まる学校も多い。夏休みの宿題どころか、春休みの宿題もまだ提出できないようでは子どもにも顔向けできないだろう。