若い世代が見てもカッコイイと感じるハーレー。それが『FXSB ブレイクアウト』だろう。1710mmというロングホイールベースに、240mmワイドタイヤがもたらすそのシルエットは見るからにヘヴィーで、ストリートを流せば注目の的。
まるでカスタムショーから飛び出してきたかのようなスタイリッシュさだが、実際の走行フィーリングはどうだろうか。アメリカ・フロリダでみっちり約1600kmの道のりでテストライドしてきた。
そのロー&ロングの車体には、1584ccもの大排気量Vツインエンジンが搭載されているだけあって、クラッチを繋いだ途端、力強さを感じる。街乗りは2000回転前後で充分に流すことができ、ハイウェイに上がっても余裕といったところだ。
ハンドリングにはクセがあり、最初は曲がりづらいと感じるが、慣れてくるとこれがまた面白い。コーナーではカラダごとインに倒し込んで、ようやく向きを変えてくれる。
なんというジャジャ馬だ、オーナーになればこんな個性がまた所有欲を高めてくれるのだろう。
それにしても存在感バツグンだ。オートバイに興味がない人でも、タダモノではないと感じ、視線を向ける。
丁寧なペイントが施された燃料タンクには、歯車状のガラス象嵌に七宝細工をあしらったタンクメダリオンが誇らしげに輝いてる。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。