気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年7月29日付
●トヨタ世界販売首位転落、上半期(読売・2面)
●TPP大詰め、進展と懸案、コメ・自動車歩み寄り、12か国閣僚会合きょう開幕(読売・2面)
●車5社世界生産上期前年下回る(朝日・9面)
●中国株乱高下止まらず「下支え策終了」うわさに市場動揺(毎日・7面)
●ラオスで電動バイク販売、ハイアール現地生産も検討(日経・9面)
●川重、航空機に240億円投資、ボーイング向け新工場(日経・11面)
ひとくちコメント
国内自動車大手8社の2015年上期(1~6月)の生産、販売実績が明らかになった。きょうの各紙が一覧表とともに取り上げている。
それによると、国内生産の8社合計は、前年同期比8.7%減の437万8360台となり、富士重工業を除く7社がマイナス。中でも、ホンダの35.7%減、ダイハツ工業の10.2%減と主力の軽自動車の国内販売の落込みが響いたようだ。
一方、海外生産は8社合計では3.1%増の882万5797台と好調で、トヨタ自動車のほか、ホンダ、マツダ、スズキ、富士重工の5社が上期として過去最高を更新した。
また、国内販売は12.1%減の243万8447台。マツダと富士重工を除く6社が前年同期の実績を下回ったが、27.0%減の三菱自動車を筆頭に、ホンダ(17.9%減)、日産自動車(15.6%減)、スズキ(同)、ダイハツ(13.4%減)など軒並み前年実績を大幅に下回った。
国内各社の上半期の実績が明らかになったことで、きょうの各紙は、世界の新車販売台数の首位争いで、トヨタが4年ぶりに首位の座を譲り、独フォルクスワーゲンが初の上半期トップに立ったという結果を伝えている。
ただ、見出しはマチマチで、読売は「トヨタ世界販売首位転落」と「転落」を強調。毎日と産経は「陥落」としている。
東京は「トヨタ首位譲る」、朝日は「トヨタ世界販売2位」としながら「VW、上期初の首位」、日経も同様に「VW、世界販売初の首位」とVWに焦点を当てており、記事では中国市場の失速状態によっては、VWの年間首位は危ういとの見方をしている。
上海株の続落など中国経済の不透明感が金融市場ばかりではなく、今年下半期は新車販売でも大きく影響を及ぼしそうだ。