【アウディ A1スポーツバック 試乗】連続コーナーもヒラリとこなすFFスポーツ…諸星陽一

試乗記 輸入車
アウディ A1 1.0 TFSI
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アウディのボトムラインを構成するコンパクトハッチ『A1』。今回の試乗車は新たに追加された1リットルターボモデル「1.0 TFSI」だ。

フォルクスワーゲンの『up!』に搭載されるものと同様のエンジンをターボ化。最高出力は95馬力と、現代のエンジンとしては標準的と言ってもいいレベル。ミッションは7速のツインクラッチ式が組み合わされる。

走り出すとコンパクトモデルらしく、4輪のタイヤの位置と動きが手に取るようにわかる。せっかくのツインクラッチなのだから基本、オートマチックモードで運転する。各ギヤのつながりは非常にスムーズ。ボーッとして運転していたら、CVTと間違えるのではないか? というほどにつながり感がいい。ミッションの完成度が高いのはもちろんだが、排気量が1リットルと少なくトルクが16.3kgと低めなことも影響しているだろう。

高速道路ではコンパクトモデルの域を超える快適性を持つ。100km/h時のエンジン回転数は2300回転と最近のクルマとしては高めの設定となるが、それが不快な要素とはなっていない。ホイールベースも2465mmとけっして長くはなく、サスペンションもフロントストラット、リヤトーションビームと普通の設定だが、乗り心地もしっかりと稼ぎ出しているところは、「さすが」とうなずいてしまう部分。

しかし、この低めのギヤレシオがワインディングでは走りを楽しめる要素となる。最高出力も95馬力と低いが、ツインクラッチのミッションを積極的にマニュアル操作することで、高めのエンジン回転数を維持しながら連続するコーナーをヒラリ、ヒラリとこなして行く。A1は全幅1740mmの3ナンバー車だが、4mを切る全長はまさにコンパクトカーと呼ぶにふさわしいもの。道幅の狭い片側1車線の一般道路のワインディングなどでは、コンパクトなボディが走りに大きく貢献する。

日本の道路状況にベストマッチするこのアウディA1だが、その走りを手にするためのコストは、車両本体価格が269万円となる。試乗車はオプションカラーやコンビニエンスパッケージ、ナビキセノンパッケージなどのオプションが装着され335万円の車両本体価格。走りだけを追求するなら、もっとリーズナブルなクルマ選びはあるだろう。プレミアムなアピール感だけを求めるならもっと別の選び方がある。しかし、そのどちらも欲しいという人にはアウディA1は貴重な存在。少なくとも日本車にはこのジャンルのクルマは存在していない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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